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2011.8月2日tue @YAMAHA HALL
ピアノがセンターでお待ちかね!わぁあ真ん中!と喜びつつプログラムを見ればショパン、ドビュッシー、チャイコ、前半のラインナップはピアノ曲(オルガンもね)ばかり。もしやピアノソロ?なの?
きゃあっと声にならない嬉しい悲鳴を上げていたワタクシ。
そして開幕。ステージ下手ドアが開き主役の塩入さんご登場

プログラム
『ALWAYS 三丁目の夕日より』:8月15日AM11:30-
ヴィエルヌ/ウェストミンスターの鐘(24の幻想的小品集 Op.54-6) /ピアノソロ
『ベスト・キッド2010年度版より』:8月13日PM0:50-
ショパン/ノクターン第20番 嬰ハ短調「遺作」/ピアノソロ

アナウンサー大久保さやかさん、斎藤工さん(ツッコミお上手な方ですね)、中井圭さんご登場です。曲と映画のお話
下記の映画シーンが映ります。そして演奏になります。

『トワイライト〜初恋〜』より:8月13日PM2:30-
ドビュッシー/月の光(ベルガマスク組曲)/ピアノソロ
『エスター』より:8月10日深夜2:15-
チャイコフスキー/「四季」より8月収穫(12の性格的描写Op.3bis-8)/ピアノソロ

トーク

『告白』より:8月29日深夜0:00-
J.S.バッハ/アリオーソ(チェンバロ協奏曲 第5番第二楽章/
 塩入俊哉ピアノ&奥村愛ヴァイオリン 
ヘンデル/オンブラ・マイ・フ(歌劇「セルセ」第1幕より)/
 塩入俊哉ピアノ&奥村愛ヴァイオリン

トーク

ヴィヴァルディ スペシャル
【四季】スペシャル(ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」Op.8より) 
『セント・エルモス・ファイヤー』より:8月10日AM7:00-
「春」第一楽章 アレグロ/以下総て塩入俊哉ピアノ&奥村愛ヴァイオリン 
『息もできない』より:8月30日 PM10:50-
「冬」第一楽章 アレグロ・ノン・モルト
『 のだめカンタービレ最終楽章(後編)』より:8月7日PM3:50-
「冬」第二楽章 ラルゴ
「夏」第三楽章 アレグロ

トーク ここでは塩入さんと奥村さんも参加〜。中井さんと斎藤さんが席を立ちたくないほど演奏に惹かれたと感想を申され、嬉しい!奥村さんがマイクを持つなり”水を得た魚のよう”と。笑えた。実は彼女のMC好きなのです。ヴィヴァルディはピアノとで弾く事はないので少し緊張しました等。斎藤さんは小2の時にヴァイオリンを習っていて。先生の手がゆでたまごのにおいがして、その匂いに負けてしまってヴァイオリンを諦めた?エピソードに和みました。
のだめカンタービレのダイジェスト版が流れてフィナーレステージへ。

オリジナルメドレー 
『のだめカンタービレ 最終楽章』オリジナルメドレー
ショパン/ピアノ協奏曲 第一番ホ短調Op.11より第一楽章/ピアノソロ
マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より”間奏曲"塩入俊哉ピアノ&奥村愛ヴァイオリン
モーツァルト/2台のピアノのためのソナタニ長調K.448(375a)より第一楽章/ 〃
サラサーテ/ツィゴイネルワイゼンOp.20/ 〃
ガーシュウィン/ラプソディ・イン・ブルー/ 〃

アンコール
パガニーニ/24の奇想曲カプリース 塩入俊哉ピアノ&奥村愛ヴァイオリン 

ガーシュウィンが終わり拍手が鳴り止まないo(*^▽^*)o~♪このホール拍手もすごく素敵に響く感じがして、いえそれゆえではございませんが、拍手拍手の波が起こっていく。
生音の総てが会場の隅々にまで届き、微細な音、オーケストラの如くピアノのレンジを総て鳴らし切る演奏が素晴らしかったです。クラシックが聴かれた(嬉泣)
全曲総て塩入さんのアレンジでした=ということは、ドビュッシーの月の光を始め知っているはずのクラシック曲がイントロで謎めくので、ぞくぞくっしました。メドレーに於ける曲のつなぎ目がすっと転換して鮮やかで気持ちよかった〜。
このコンサートの模様は収録になりました。後日ON-AIR になるそうです。とぉおおおっても待ち遠しいです。記載された日時は映画のON-AIR dayでしたスミマセン。
正直上記の映画一本も観ていなくて”のだめ”すら知らず(最近映画館ではおくりびと。TVではもののけ姫でした)ですので感想は音楽に偏ります。

追記

私自身映画を殆ど観ない上にクラシック音楽の大ファンでもあるゆえの感想です。偏った感想を御勘弁ください。

 −音楽は言葉より雄弁に語る−
映画での曲が流れるシーンも映し出され、そしてトークも交えてのライブでしたが、私の感動はこのひとつへ集結しました。

プログラムを観た時に、クラシック、ピアノソロ曲の多いこと。えっ塩入さんがピアノソロなの?
クラシックピアニストとしてデビューなされた後、私が知った時はジャンルも違いましたし、近年はクラシカルクロスオーバーでの御活躍がめざましい方ですので始まっても全曲に大胆なアレンジが施されているのではと疑いつつ(笑) 譜捲りの女性がいるし(クラシック特有)クラシックなのかな?と。
疑心暗鬼はどこへやら。間違いないど!クラシックな演奏に私は嬉しくて嬉しくて。
心はかぶりついて聴いていました。

全曲知っていましたは訂正。すみません。
ウエストミンスターの鐘♪はオルガン曲であることと、学校のチャイムに使われていること。原曲は知らずでした。
この曲にはシンセの音色がMixされ、SF映画(古いヾ(- -;))のイメージ。 ピアノの柔らかな余韻が素敵なチャイムの音は、あらぁ不思議。チャイムに学生時代は急いだものですが、コンサートでは落ち着きました。
開幕を告げるチャイムからショパンのノクターン、遺作♪へ。
戦場のピアニストで有名な曲でもありますね。 ショパンそのまんま!!!まさか塩入さんでクラシックが聴かれるとは(何度も書いてますね(*^▽^*)ゞ)右手の明晰なアルペジオの流麗さ(塩入さんの速さ!が感じられてまたよい)はもちろん、おっとその右手に気をとられがちですが、支える左手のリズムの安定がさすが!
ショパンのこの曲は、鳴らしきらずにいたわる音色の滑らかさが極上に美しかった。
認知度も高いこの難曲をさらりと弾きこなしている、いえ演奏なされた全曲が簡単に弾けてしまいそうな、とんでもない間違いを与えそうな完成度の高さは弾きこまれた証であろう。
トークで映画評論家の中井圭さんが「ずっと座って聴いていたいですよね」と申された言葉のとおりです。

曲名を見た瞬間、胸がきゅん、大大大好きな曲、ドビュッシーの月の光♪
ホラー映画で使われているとは初耳〜〜。面白いですね。すっかり忘れて演奏に集中していましたが。
塩入さんです、イントロが施されていました。この曲をアナウンサーの方はきらきら輝く月とご紹介なされていました。私は違っていて、薄い雲がゆらめき、その奥で穏やかな色彩を放つ月のイメージです。朧月でした。 今日は塩入さんのオリジナルイントロが、月を覆う薄い雲をさぁ〜〜っと取り払っていく、そして美しい月が、庭池に映ってきらきらと輝いている。輝きが増す程に道化師の零すなみだであろうか、水面は揺れ、仮面の奥に隠し持つ悲しみをこらえての道化師達の純粋な心の美しさが滲みでていると。月は光は導くのです。
この揺れる中間部が素敵なんですよ。ここが聴きどころ。ショパン遺作♪でのアルペジオよりぐっと力を載せてダイナミズムの伸縮幅が大きい事に気づく。描き分けている。タッチの違い、ぺダリングで色彩を変えていくことで直線的な流れでなく、仮面の奥を引き出す、音の微細な並びがとても合理的に組まれている構造性が判るの。
ショパン、ドビュッシーの世界に、もとい、全曲の真髄を究めるにはどれだけの犠牲を払って辿りついたのであろうかと。ピアニストの真摯に向き合う姿、粘り強い努力を物語っていたと思う。
私感激で涙ぽたぽた落ちました。
どの演奏家の月の光♪より素敵〜〜。もちろん今迄一番好きでしたポリーニよりも。

…っと折角零した涙が弾け飛ぶかと思った、いやぁんもう(笑 演奏家はシャイな方であると確信(^^ゞ) 
間髪入れずに始まる、チャイコの四季より八月♪。
まさにピアノの鍵盤を総て鳴らし切る、豪快な演奏。徹底した強さに息を呑む。あっけにとられているお客様のお顔を想像して、にんまりしていたワタクシです。
人々が闊達に動き回るピチカートの描写が楽しい曲です。この曲もホラー映画というのが意外で面白いですね。難易度が高い曲を少女がさらりと弾いてしまうのです。どなたが弾かれているのでしょうね。少女ならやっぱり怖い(笑)

前半はチャイムで開幕を告げ、ショパンでピアノの存在を印象付け、その余韻を月の光♪の前半へつなぎ中間部からダイナミズムで鳴らし世界を描きわけていく。盛り上がったら一気にチャイコで賑やかに闊達におしゃべり噴出。
さあ もっと語り合おう。ヴァイオリンもおいでよ!と信頼する仲間も加わって豊富になる。
ん?この盛り上がり方は…まるで私達が。例えば、友人?或は大切な人?と語りあう、時間の流れに似てはおりませんか?
…曲順を組んだのも塩入さんではないかしらと思う程でした。
音楽は言葉より雄弁に語る は続いていくのです。
そしてヴァイオリンが加わり、おしゃべりは益々華やかになります。

この曲からヴァイオリンが加わることでオルガン曲もシンフォニーもピアノ&ヴァイオリンデュオversionならではのアレンジが施されています。 奥村愛さんは、ヴォバルディはこのパターンは滅多にないので緊張されたと申しておりました。
バッハ:アリオーソ♪
ヴァイオリンの旋律はチェンバロにない余韻の音が優雅。メロディが載り易いバッハの曲であるのですね。塩入さんは両手ですので、左手のメロディが、静謐なたたずまいはそのままにふくよかに広がりをみせて、どうか他の映画音楽にこのまま乗せて〜っとお願いしたくなるほど、現代な曲になっていました。
ヘンデルのオンブラ・マイ・フ♪
様々な楽器とアレンジでコンサートで聴いています。 シンプルにメロディを大事に響かせると、限りなくロマンティックなのです。上昇気流に乗ると記憶を呼び覚まし、零れ落ちる煌めくような神々しさは一聴に値します。
そして ヴィバルディの「四季」スペシャルです!
齋藤工さんが、厳しさの調和を感じたとお話なされました。素敵な表現と思いました。
春♪は最もポピュラーでしょう。思わず鼻歌で歌ってしまいそうに(いえいえ)始めからガツン!と瑞々しく飛び出すヴァイオリンの音色にぞくっ!まさに春を喜ぶ小鳥のさえずりです。
あんど、蛇足ですが、この出だしのぴったりあう呼吸にびっくり。当たり前なのでしょうが、塩入さんのピアノは今日はセンターで、従来のコンサートより前におります共演者は右側に居る訳でして、お姿は見辛いはず。阿吽の呼吸、さすがです!
さて私はどこでウルっときたかと申しますと、オケならばヴァイオリン同士が小鳥の会話のごとく掛け合う部分が、可愛らしいピアノなの(今回は当たり前か)Duoもいい!
齋藤さんが申された「厳しさ」を思った冬。ヴァイオリンのソロが見事です(ここで気持ちはプログラムに記載されたツィゴイネルワイゼンへと逸ってしまうワタクシでしたそのくらい堅実で情感ある演奏)
このホールの響きの良さにも改めて感動しました。生音でのこの臨場感に何度鳥肌が立ったことか。
楽章での拍手はできないけれど、拍手を送りたい衝動に何度も駆られました。
私、ヴィバルディの四季では夏♪楽章が好きなのです。演奏者の弾き味の違いが私には判り易いので。
愛さんの可憐なお姿とは反する、男らしく逞しい演奏に惚れ直しました。

ここで塩入さん愛さんも加わられてのトークコーナー。
ごめんなさい。内容忘れました。ひとつ愛さんがマイクを持たれて「水を得た魚のよう」と仰っていたのが笑えました。
会場の皆様はクラシックはお初の方も多いかと思われ、演奏の圧倒的なパワーをすっと和らげ、演奏者にもクラシック音楽へも親しみを覚えられる和やかなお話と雰囲気でした。

クライマックスはオリジナルメドレーです。
ショパン:ピアノ協奏曲第一番ホ短調
マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナより 間奏曲
モーツアルト:二台のピアノの為のソナタ
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
メドレーでも一曲が長い大作です。第一楽章、第二楽章〜と移っていくような。 ショパンは最初からダイナミックに響かせます。直感的に感情をぶつけ、すっと繊細に降ろして身を隠す。あまりないパターンでは?この波の引き潮具合の大胆さ。だめだぁ〜この感じ。蟻地獄!はまるはまる(笑)じわじわと感情のひだひだを苛めていくのです。デリケートな起伏に丸ごともっていかれました。
カヴァレリア・ルスカティーナ♪ではチェリストの古川さんも加わってのトリオ演奏で聴きたい!っと妄想していました。どうしてか判らないけれど涙が溢れてくるのよ。この曲。
二台のピアノがDuoで斬新。じんわり流れた涙が嬉しさで弾む涙に変わるモーツアルト。
音の柔軟体操みたいな、しなやかな動きがとても印象的。
そして、きたー(*^_^*)愛さんで聴きたかったツィゴイネルワイゼン♪
鮮やかな強音で始まるピアノに、わっくわくしつつ、緩やかな部分でさえもやがてくる嵐にどきどきが治まらない。そんな気分は木っ端微塵に吹っ飛ぶ、音の濃密を含んだ太い弾き、ピンと張りつめた緊張感がやがて官能が表へ出て行く変奏と技巧をあらゆる手段を駆使して極めたサラサーテの楽曲に、優れたテクニックで両者伸び伸びとさえ聴こえる余裕で華麗に弾き切る演奏が圧巻でした。ブラボー〜〜!!
メドレーですので、すごい〜(+o+)の余韻をはぐらかしてしまう、同じ民族音楽でもアメリカになれば気風もかわっちゃうガーシュウィン。 ジャズ風です。
遊び心を一層感じる楽しいアレンジ。クラシックのノリの良さがかっこいい。
それこそ圧倒的な演奏で鳴り止まない拍手の嵐。
クラシック音楽を生で初めて耳になされたお客さまもおいでではないかしらと。それゆえにこの鳴り止まない拍手がものすごっく嬉しかった。

アンコールはパガニーニのカプリース。 きましたねぇ。この曲が。
ラストまで純真で素直な音色が超絶技巧曲でもまったく動じない愛さんの等身大の姿を重ねていました。
ますます男らしく、逞しい音色へと伸びていく…ね(笑)

”音楽は時には言葉より饒舌に語り、より雄弁に語る媚薬を常に抱いている”
ソロではペダリングやタッチの質、打鍵の重みピアノの音色を最大限にいかせる表現。塩入さんご自身が、発する音色を愉しまれている。迷いのない自分のものとして習得した楽曲への自信があった。
カンバスに柔らかな色彩を流し込むように塩入さんの表現で感動する画を描き切っていた。 
そして真骨頂であるとも言えよう、アレンジを加えたDuoでは弦楽器、管楽器、木管、打それに、声というあらゆる音楽的要素が、ピアノというマテリアルをふんだんに鳴らすことで、Duoでの音楽的指向の隙の無さはむろん、お互いが触発しあうことでその瞬間に生まれる即興性のような生命力がこのホールに響き渡っていた。

アンコールを求める、お客さまの力強い拍手の共鳴が言葉がなくとも演奏を称え感動を語りあっていた。

演奏中、塩入さんの情熱的でありながら、楽し気でほんとうに嬉しそうに弾いている音色と雰囲気が私はすごく嬉しかった。
努力を重ね、今ここに己の力を精一杯出し切れているこのステージを私は忘れない。
今後もきっと音楽的な深みをさらに重ねて行くであろう塩入さんのピアニズムを聴き逃さないようにしたい。
ショパンの曲はショパンで、ドビュッシーの曲はドビュッシー本人の演奏で聴きたいと思っていた。
もう要らない。
私は塩入さんの演奏で聴きたい。

ん?クラシックは何年振りでしたかしら…インターバルは30年後〜〜ワタクシ生きているかしらん
takako.8.8. ははっ