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塩入俊哉 ピアノ Solo Live『バレンタインの夜に君と』 
2月14日(火)
南青山MANDALA 
塩入俊哉(pf)/楯 直己(percu) 

第1部
 君と出逢ってから solo

春:桜の時に
  黄昏に

夏:君のいた夏
  ある夏の午后に

秋:ふるさと vo:楯氏
  夜と時の向こう

冬:別れの曲/Chopin
  永遠という解答(こたえ)

第二部
 LOVE AFFAIRS
 月の光と鏡に
 リクエストコーナー
   Metis 人間失格♪/宮本文昭&笑里 第三の男/
   松原健之 ときめきはバラード♪ 音源のみ
   愛の夢/リスト solo
   she/映画『ノッティングヒルの恋人』より solo
 ビオスの丘で
 追憶のオペラ
 約束 solo

encore
 摩天楼のkiss
 夢のしずく solo


・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
凍てついた空から落ちてくる 二月の雨
今年初めての雨音(雪ばかりな田舎住まいゆえ)の規則正しいリズムに弾む
如月は雪が最も降るが融けるのも早く日当りの良い場所の新雪はお日様の陽射しで姿を消す
ただ日陰の塊り残雪は光も届かず
ただ泥と埃を被り汚れていくだけの姿
万遍に降る二月の雨が 汚れを落とし融かして大地へと戻してくれる
一緒に流す涙雨が塊雪を自然な姿に還していく
二月の雨は悲しみを知っている
だから暖かい

灰色の空も雲の動きが早く、春を急かしている
私のキモチも急かしてる
さぁソロライブ開幕!


最初はこうでなくちゃね。ピアノソロによる君と出逢ってから 
イントロでの音の立ち上がりの鮮明さがまず光る。 そして耳に馴染んだメロディ。たおやかで温かい音色で綴られた織物が強く、またすっと控え目にと遠近なニュアンスは夜の帳を記憶の風で揺らす。 リリカルな高音での流れが天上へとのぼるラストはため息がこぼれる美品に仕上げていました。
色々な人との出逢いが、優しいキモチを連れてくるね、悲しい心の塊も融かしていくのですね。
パートナー=パーカッショニスト、楯 直己さんをお迎えして(バレンタインは君と、のkimi は彼でした) お出迎えの曲の次は、四季を追っていく構成です。
春は出逢い、情熱の夏、実りの秋、別れの冬、なイメージでしょうか。恋に置き換えてと申されました。(タイトルにしてもロマンティストな方です。ワタクシは恋愛系が超苦手ですのでRevueは曲のイメージで、私なりの言葉で描かせていただきました)
桜の時に
闇夜、雪が舞い上がる情景。桜の花びらが舞い上がる如くに。楯さんのキラキラ〜な音が雪の光彩を自然の姿で瞳の向こうへ描き、ピアノの流れと微細な色合いを持って変化を施していく。
春への憧憬、心抑えた奥ゆかしい和の響きが大好きな曲。
黄昏に
夜の色が、開き黄昏色に染まっていく。ほのぼのな情景。楯さんの口笛にはっとなる。学生の頃、部活で未だ練習をしている先輩の後ろ姿を追っていた夕景。また明日見えるといいなってちょっぴり切ないけどワクワクしながら帰った甘酸っぱい思い出。
私は春の楽曲から ”憧れ”を描いていました。
そして夏はこの二曲 君のいた夏 
夏がめちゃくちゃ好きな塩入さん。やはり情熱的な感情を持たれる方ですね。
ソロで聴くとリズミカルさがぐっと際立っている。今迄色々な楽器との共演やバンマス、サポートでの統率力が伺える。柔軟な中に男性的な力強さを秘めた演奏であることの魅力を改めて感じていた。 一途な熱い情熱で駆け抜けた君のいた夏なのですね。
真夏のまどろみに聴きたい ある夏の日の午后に
ひぐらしの鳴声、波音、メロディもシンプルで(もちろん装飾は多です)テンポは緩やかながら、すっと立ち止まる和音に、過去のワンシーンが鮮明に描きだされ、見えない絆の強さを聴く。
年月をかけてじっくり温め合ってきた心の交流、目には見えないやすらぎが私の帰っていく場所であって欲しい。まどろみでは夢幻の音楽がシーンを再現する。
夏は 帰りたい季節

ふるさと
こころざしをはたしてぇ〜〜(グランディングGは??笑)楯さんの歌で。
わぁお〜柔らかで伸びやかなあたたかな歌声です。淡く穏やかな進み具合に、
 自分の帰る場所は土地ではなく仄かに温め続けている音楽というふるさとも私は持ち続けていたいと願っていた。
夜と時の向こう
夜は明日の為にある。動と静、光と影、月と太陽、ふと決して同時には存在できないものの宿命を想う。でもお互いが在るから両者が存在できる幸せ。究極です。
お互いを思い遣るキモチを楯さんの笛が暖炉に火を灯す温かさで示していた。 弓さんのCDでは二胡の調べも印象的です。
秋にはぬくもりが待っている。楯さんとはリハ無しで本番!楯さんと塩入さんは生まれた座標が同じということで(それだけでは無いのですが)お互いどんな感じの音が出てくるのかが判るそうです。
お互いが音楽の意識でつながりを保っている。必要とする音色を楽曲の内面を意識へ送り集中することが偶然の(必然なのかも)一致を生み出している。この気付きはときめきはバラードへ繋がっていきました。
そして、冬へ。
次へ繋がっていく明るさのある曲でとのご紹介。別れの曲
誰でも知っている旋律を中心に、ぎっしり実の詰まった流れがシンフォニックな調べで華麗に飾っているアレンジ。ロマンが溢れでていく。丁寧に磨き上げられた演奏と響きの美しさは、ショパンも陶然とするのでは。
この曲の持つプライドに果敢にもアレンジを施し、楽曲の響きに比類ない美しさとスピード感をブレンドした鮮やかな別れの曲。
こぉんな綺麗な別れ方を切り出されちゃったら、永遠という解答(こたえ)を持っても本気とは思えませんが。
大事な方を強く想う、ドラマティックな余韻を残し、一部が終わりました。
冬は 悲しみ

どの曲もふくよかな余韻を残し、ペダルを離した瞬間で沸く拍手がお客さま皆様の一体となる聴き入る賞賛な応えであると感じました。


第二部
懐かしい〜第一部の始まりに日向さんのお話をなされ(カイロですね)、二部も日向さんが朗読で参加なされた蒼生のアルバムから Love Affairs
アンチエイジングの曲です。 ファンタジックな懐かしい曲と耳の遠くで語る日向さんの朗読に、心を辿る感情が芽生えて、わくわくどきどき、若返りますかしらね。
更に遡り1st アルバムから 月の光と鏡にこの曲も女性の方が歌われていたのです。
ピアノとPerでのVer.鋭さをも聴く右手の音は光なのか。ファド的な影に危険な色艶を載せる。 月と光の激しい対比を小粋なスゥイングで揺らすうねりが感情表現を心にぐっと迫らせる。リズムが打楽器?できっちり刻まれていたのも印象に残っています。
お待ちかねのリクエストコーナー
MetisさんのCD『人間失格』の音源が流れました。ピアノ伴奏なされています。 塩入さん曰く「人間失格、それでいいんだよ〜明日の風が吹く〜 ハードでも肯定していく曲なんです」と。
私は後日、この曲の印象を書きたいと思います。
宮本親子による第三の男笑里さんの1st アルバムSmileに収録です。是非〜♪
CMが流れるとTVへ走っていた、小犬のワルツを想っていたなあと当時を振り返っていました。 コミカルな楽しみも聴きます。
そして、松原さんのNew Singleときめきはバラード
原曲とカバーver.を聴かせてくださいました。
しんみりシリアスバラードが、こんなにも感情の切なさを剛速球で歌われるとは。松原さんの声は演歌でもさらり系とのイメージを覆す、若い迸りで最高潮を描き切っている。声と曲が心に深く宿ります。生まれ変わればいい。切なすぎる。
アレンジを施すマジックと聴き比べ、お話を伺って、原曲をシンプルへ戻し向き合う内省的な考察で、作品の一瞬の輝きを確実に捉え、それを歌手の個性と響き合わせ、そこに深みを極めた美意識な作風でドラマティックに両者を広げていく音楽性は格が違います。そして積み重ねれば積み重ねていくほど、原曲に謙虚な姿勢で接しているのではないかと感じていました。
シンクロニシティ「意味のある偶然の一致」(短縮…ウィキより)。個性とか個が先行している昨今。でも人も、総ての森羅万象は何かで繋がっている。個であった意味のある人たちのつながりからときめきはバラードがよみがえったシンクロ二シティ。そこに様々な繋がりを持たせたアレンジも同じ。内面を深く意識しつつ共鳴しあい真摯に向かうことが自分にとって一番必要な意味のある偶然(必然)の一致を引き寄せる力となっていくと塩入さんの姿勢とアレンジが示していた。 バラードの真骨頂ここにあり。
絶対聴いてください! 
リクエストコーナーは続く。 愛の夢リスト
リストの曲はほんっとに最初からゴージャス。聴く私達をレディ(笑)に仕立ててくださいます。塩入さんの愛の夢を聴いていますと、繰り返される同じフレーズが異なりを描いていく錯覚と、素朴な響きになる部分の感興がむしろ堪らなく、そこから羽ばたいて行く大胆な広がりがスリリング極まりない。今宵はマイフェアレデイなの。はい。夢です、許して(笑)
リストの曲はどの曲も難儀と思うのですが、簡単に弾けちゃうかも〜っと大きな勘違いをさせてしまいそうです。夢ですからね(笑)
she映画『ノッティングヒルの恋人』より
どこかで聴いたことがあるな曲で、リクエストで私は素敵な曲を聴かせていただけるので有り難いです。とろけちゃうほど甘美な曲ですね。バレンタインデーにぴったり。
リラックマさんもkamejiroさんも涙なされていたのが私も嬉しく思いました。
この二曲は次回でも、いつかCDで収録していただきたいです。

ビオスの丘で追憶のオペラ
波の音、引き潮が彼方へ消えるとコバルトブルーの海がやがて人の血で真っ赤に染まった沖縄の海へ塗り替えられる。戦火を具体化し、最初のイメージを突き崩す強打腱は怒りの炎で、赤のライトも効果満点。逃げ出してしまいたいくらい鮮烈に恐怖を与える。目を背けてはいけないよとピアノが行き場のない怒りと引き裂かれた苦悩の魂そのものを訴える。深い慟哭にも似た表情。心にびりびりと音を立てて突き刺さる。息をしているのを忘れる程の気の詰まりに、死した魂の残像が音で蘇り、まるで己の魂を浄化するが如くに争いの無い世界へと解き放たれたフレーズで我に返るのです。慈しみ鎮魂するように響くコーダを聴いていると起承転結を物語るストーリーを持つ作品であると知るのです。楯さんのヴォイスも胸を打たれました。
ビオス、追憶のオペラ、 何が塩入さんをここまで駆り立てるのでしょうかと思う程、
一曲一曲漲る集中力が尋常ではなく取り憑かれた音楽への情熱でしょうか。それでいてタッチの荒さはなく、冷静な気迫にストイックさを感じる。
誇張ない凄みは私たちの心を離しません。
そしてラストは約束
鬼気迫る演奏の余韻が強く放心状態。 前二曲の主人公では無いとおもいますが、重ねてしまうタイトルでした。

アンコールはおまけなのですよね。
カーティスクリークバンドで聴かせていただいた新曲がピアノソロで、摩天楼のKiss
AORな曲想が親しみ易い。都会的で洗練された定番サウンドはここにあり!な感じです。
楯さんとの和やかなおしゃべりでウオーミーなライブハウスは♡でいっぱいいっぱいでした。
夢のしずくでエンド
夜と時の向こうで思った同時に存在できない事実。 虚と実を夢のしずくで想い浮かべました。

哀しみに濡れ塊な心を
雨という涙で解かし
これ以上濡れないように
守ってくれる メロディの傘をさしてくれたのね
ありがとう
雨上がりには
みんなが笑顔に戻れるね

 ソロ・ライブ、回を重ねる毎に温まっていく一体感の温度上昇の実感がこの上なく嬉しい。
それぞれの立場で皆いろいろな事を抱えて生きている。歩みを止めることなく。
悲しみを癒すピアニストが弾いてくださる音色の後を歩き続けて行きたい。

ありがとうございました。

takako.