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8月18日(土)三村奈々恵 (マリンバ&ヴィヴラフォン)
Nanae Mimura Marimba & Vibraphone Solo Live 2012@スィートベイジルSTB139

共演:塩入俊哉(pf, Key)/楯直己(perc)

Program
1st
 無伴奏組曲第1番ト長調 前奏曲:J.S.バッハ
 カリビアン・ブルー:Enya
 プラーナ:三村奈々恵
 ガナイア:三村奈々恵
 ラベンダーの咲く庭で:N.ヘス

 カノン:パッヘルベル
 レズギンカ〜剣の舞 :ハチャトゥリアン

2nd
 Alley in Back Bay:三村奈々恵  〜スクリーン映像も〜
 タンゴスィート第二番:A.ピアソラ
 リベルタンゴ:A.ピアソラ

 約束:塩入俊哉 piano solo
 
 My Favorite Things:R.ロジャース
    ファイアーダンス
 Bye Bye Brazil:Jimmy Kachulis

アンコール
 Gracias(ありがとう)
 てぃんさぐぬ花:沖縄民謡

  takako.
追記しました。8.28.
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
シンセの神秘な音色に迎えられて三村さんご登場。前奏ではマリンバとシンセが宇宙交信している〜♪
浮遊するほの暗い闇から厳かな調べがひたひたと沁みてくる。
バッハの無伴奏でオープニングです。
マリンバの円やかで転がる音色がここだけ時間の流れがゆっくりなのだと錯覚を呼ぶ。時々深く響く低音は叩くというより慈しみ、音を興す木の振動ゆえに大地の響きの如くずしんと直撃。
チェロ用の曲なのですが、マリンバが教会でチェンバロの代役を努めたというルーツをバッハで毎回感じています。マリンバでも微塵の違和感がなく曲の良さが伝わるのは、一音に響きが残るふくらみを残しつつ音の粒が均一でクリアに溢れている繋がりが緻密。三村さんの鍵盤とマレットで弾くテクニックなのでしょう。
マリンバは正面から演奏が見られる。ピアノもスケルトンなら正面から見てみたい〜?と沸く妄想も鍵盤楽器ならではですね。
カリビアンブルー
今回のライブではシンセの音が多く絡み、とても神秘でファンタジックな空間を作っていて、マリンバの深い音を更に広げる壮大な器を描いていたと思う。
宇宙を漂っていれば、下界からシロフォンの涼やかな音がこぼれてカリビアンブルーの海が開けていく。Perのカホンが打ち寄せる波音のよう。ピアノも穏やかに音の波間をブランコのように揺らしほほ笑み、流麗な響きで三村さんの笑顔を優しく支えている。でもサポートお二人のこの演奏を聴いていましたら、水のイメージとお話なされました。すみません私には、今回はカリビアンブルーは海の青さでなく、見上げた空の蒼さにしたい。ブランコに揺れて、下を向かないでね、大きく漕ぎ、上を向けばカリビアンブルーの空が拡がっている、笑顔になれる。
そして三村さんのオリジナル曲、プラーナ♪
ボストンに住んでいらしたとき、ふと目に飛び込んできた街路樹の葉っぱがキラキラ光っていた光景に、自然、生命生きる力をイメージなされた。とのお話です。
CDでも聴きまくっていた曲でして。マリンバソロから始まるのがライブならでは。キラキラ光るガラス玉がアルペジオ状態でいっぱい降ってきます。バッハでも思う円やかな音のつながりには音と音の間があるよう。ソロが明るい素敵な音色を奏でていれば皆さん寄ってきます。トリオが光る玉に戯れて楯さんのヴォイスは通りがかったボストンの人がつい口ずさんじゃう鼻歌(いえ、ちゃんと素敵な声ですよん)よ。色々な国の人もきっと集まっていて即興で参加しちゃいますね。時々すっとコードを変えているピアノの伴奏が葉っぱをぱっと裏返している。君!やるじゃんって微笑む人も。柔らかいマリンバの音色にこれまた柔らかな演奏はさりげなくスゴイ。セッションな感覚です。
っと心地よ〜〜くいい気分でいましたら。ヴォ〜〜。
わぁ〜〜〜ディジュリドゥ!(オーストラリアの楽器)を楯さんが吹く音です。曲はガナイア
演奏前にこの曲はマリンバの為に書かれた曲であり、ガーナのリズムを刻んでとのことですが、もういきなりナントカ部族のサークルに飛び込み、動けないな感覚。ディジュリドゥが吠え消えていく音にひたひたと寄せるマリンバの音色がガーナのリズムを刻む。まさに鼓動。息を潜めていたピアノがドラムロールのようにダイナミックにリズムを彩る。時に、ガーナのリズムに寄せては引いてが遠近感を生む。マリンバが鎮まればピアノが唸る。Perはモスキート音寸前のアブナい音(すみません(*^▽^*)ゞ)テルミンでしたかしら??そして再度ディジュリドゥで大地が吠える。マリンバも打楽器な音色でアタック。毒気に身の毛がよだつ。ナントカ部族の儀式のサークルに迷い込んでしまった!
前半はガーナのリズムを使って後半は即興でとのお話に、三村さんご自身もアレンジなさいますので、そのアレンジを尊重し、 支えるサポートとの絡みがまた楽しめた後半も白眉。音色は違っていても総てが木の楽器。テクニック云々より、もう次元が異なり、木に宿った魂の競演なのと震えました。ステージも会場もみんな丸め込んでの、ナントカ部族(笑)。
ラベンダーの咲く庭で
三村さんのアレンジと思います。温かなソロに、先ほどの鋭い響きはどなたでしたの?と思っちゃう程。細やかに刻まれる音の連なりが優しく体中に染み渡りました。塩入さんのピアノで毎回思うのですが、振り幅も広く厚い音の層でも旋律を際立たせる弾き方なのですが、左手伴奏でも同時にポイントはすっと綺麗に鳴る鮮やかなポイントとバランス。三村さんのマリンバでも何本もマレットを持っていながらも力の入れ具合で表現できるテクニックですね。木である両楽器、幹と枝を丁寧に選り分けて弾くさりげないスゴ技と聴いています。
パッヘルベルのカノン
この曲は皆さんお馴染みの曲ですね。チェンバロの代役で生まれた楽器というお話と、オルゴールが鳴っているみたくファンタジック。うふっ。TATSUROさんのクリスマスイヴの間奏を想いました。
同時にマリンバの細やかな演奏が素敵で可愛らしさを聴いているなかにも厳しく練習を重ねてこられたのでしょうと憶う、優しい表現には厳しさの積み重ねありです。
一部ラストは、駆け抜けるレズギンカ〜剣の舞
超高速です。アタックの迫力とここまで早いと目も耳も張り付いたまま、剣の舞へ。またまた超早く細やかな音の波が、弾けば弾く程活力を得て磨きもかかる演奏とも。あっぱれです。熟練のテクニックにコチラは気分爽快になりました。

そして第二部はスクリーンに今迄のご活躍などを写した映像とともに
Alley in Back Bay 
三村さんのオリジナル曲。ボストンでの喜怒哀楽が詰まった曲なのでしょうね。ゆったりとした音の構えと響きが以前TVで拝見した映像がところどころにあり(酸素ボンベも)懐かしむ気持ちに同調。歩み…今があるのでしょう。ゆったりから、洒落た都会な音色になり、そしてテンポもピアノもPerも一緒に進んでいこう〜な邁進する(笑)躍動します。大胆に変化するのでなく移ろう感情のニュアンスに添った感な展開であるとことが聴きどころ。なかなか無いアレンジであると感動します。映像ともすっと寄り添い飾るライブならではの演奏が素敵でした。さぁこれからも始まりなのですね。
タンゴの曲二曲、と申せばピアソラ。まずはタンゴスィート
タンゴ独特のリズムはどこに?と思う程メロウで優美なメロディなのです。タンゴは=鋭角なリズムでなく、よりそこはかとないシャンソンな味わいも持つんだよとピアソラが描いたのかしらなタンゴの味。スィーツ。ヤラレタ〜〜(笑)
マリンバの深い響きとアンニュイなピアノの緩やかな掛け合いに、呼吸のスイートな振幅でラストまで魅了し続けるのです。いいなぁこの曲。
そしてタンゴの鋭角なリズムはリベルタンゴ
イントロがマリンバソロ。会場のあっちへこっちへと光線のごとく射す音色にどきどき。かっこよく始まるメロディもマリンバならでは。と思えばシロフォンへ移っての煌めく音色がカホンに乗り、ピアノとの音の連なりで強烈な輝きで自由を謳歌、いえ、たちどころに打ち砕いていった。
いや〜かっこいいですね。
さてひと呼吸です。塩入さんのピアノと楯さんのPerによるオリジナル曲”約束”
心で…過ぎてゆく夏景色を描いていました。

三村さんもステージに戻られて、被災地を演奏活動で廻られたお話をしてくださいました。
そしてMy Favorite Things
皆さんご存知の曲です、でもリズムが超とっても凝っています。どんどん変化していくのです、すごい。あちらのお国、こちらのお国へと、世界のリズムの中にお馴染みのメロディが豪遊よ。踊り出しちゃう国もあるね。そう年齢も性別も問わず。国境を越えて。
世界でご活躍なされている三村さんの共通語である音を聴いているようですごく楽しい曲になっていました。
フラメンコのダンサーの為に書かれた、ファイヤーダンス
弾くスタイルもカッコいい三村さんです、あんどお綺麗です。妖艶な美しさが音色と相まってぞくっとくるファイヤーダンス。トレモロがドレスの裾が廻る姿を連想。そして緩急とメリハリな音は華麗で御豪快に駆け抜けていきました。
神経を集中させ、すり減らし曲に没頭しきる姿勢にもう望むものはなし〜と胸が熱くなりました。
声も上がり、ラストはBye Bye Brazil
手拍子も加わり最高潮〜なんだかわたくしじんときてしまいました。演奏は思い切りの良い颯爽としたサンバカーニバル〜な明るさで機敏に弾む。ピアノのすっと入る絡みが音の内部をえぐる(笑)のでマリンバの均一な音の爽やかさにぞくっを加えてどきっとなる。コンガ?な音色にコミカルなヴォイス(あの、ひゅ〜〜ってのね・笑)ピアノが明晰に起伏を描く音色はスケールを大きくし手拍子にも力がこもっていきました。溌剌とした音の躍動が自然な流れで手を動かし、耳に飛び込み、みな笑顔になっていました。もう聴くというより、体感!!
来月はようこそブラジルへ です。と思うとそう聴こえちゃう陽気さがいい。別れも笑顔で。ですね。

アンコールで再登場の三村さんは涙をいっぱい溜めてらした。もらい泣きしそうでした。
ありがとう=Gracias
最初はシロフォンでしたかしら、音の綺麗な粒立ち、音と音の間が伸びないのではっきりなメロディに、音の間ににふと滲んでしまいそうな涙を詩的で穏やかに隙間なくそっと隠し奏でていく優しいピアノがキレイ。ありがとうの気持ちに乗せてシロフォンのハリのある音、張りつめて弾く緊張ある気は、マリンバ人生、プロとしての使命を背負い真摯に向かう毅然とした念をひしひしと感じていました。

てぃんぐさぬ花
海外でご活躍なされる三村さん。日本人の心を忘れない気持ちの表れでしょう。益々深みを重ねていかれる音楽を聴き続けていきたいです。

和洋折衷、ベスト盤コンサートとお話なされていました。リズムもアレンジにもこれから一体どのような心奪われる音楽が聴かれるのだろうかと思わせてしまう、魅力溢れるプログラムでした。

和洋折衷、ベスト盤のコンサート、前述しましたが、三村さんのアレンジに依るものが多い中、塩入さんと楯さんの音楽感性との融和がCDでは味わえないこのライブでのオリジナルでした。
カリビアンブルーで感じた海ではない空。ブランコに乗る三村さんを色々な揺すり方で楽しませ、安心し切って上を向いちゃう極上の笑顔をお二人が支え、せーの!ってね、頭上に広がる蒼い空へと飛ばしていきました。
三村奈々恵さん、第二章始まりです。

応援して居ります!
takako.