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9月5日thu.@メロディライン/ザ・プリンスパークタワー東京1F
Mr.Bassman 齋藤 順 ライブ with 塩入俊哉

東京タワーを眼下から見上げるロケーションのライブハウス。2020の文字はオリンピック招致
クレヨン色は五輪色でしたのね。

第一部:19:45〜20:15
ブラック・バス 齋藤 順
小さなワルツ クーセヴィツキ
水のない河  塩入俊哉
春の声に誘われて 齋藤 順
チャルダッシュ モンティ

第二部:21:00〜21:40
伝えたい気持ち 齋藤 順
夢のあとに    フォーレ
。。。Last Night 齋藤 順
記憶を消して  齋藤 順
リベルタンゴ   齋藤 順

encore
ロンドンデリー アイルランド民謡

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柔らかく優しいピアノのタッチにハッとなり始まりの曲は齋藤さん作のブラック・バス
客席の照明がさほど落ちるわけでもなかった雰囲気は談笑を継続させて、スタートはその中へ溶けあっていく音色でした。
毎回オープニングが近づくとどことなく緊張するワタクシ(笑)。音色がさぁ始まるよ〜と同時に交感神経が上がり熱くなるのに対し、今回は会場の和みの水面をゆったりとさざめく音色の波紋が拡がり、次第に声を潜めていく。すると副交感神経がすっと優位になり緩むリラックスが心もほぐしてくださる。そして、淡々と流れてはいないよ、明らかに違う、、余韻に追うヴィブラートのふくよかな陰翳にじんときてしまっていました。聴きたかったこの音色が大好き!
その伏線を思うに、客席では未だ談笑中な時に、齋藤さんがステージで構えられて見渡され、和やかな雰囲気に満足なされている表情が伺え、すっと混じっていった嫌われ者である(オケとか池で)ブラック・バスが穏やかに融け込み共存するスタイルがあると、嬉しさでいっぱいになってもいたのでした。
オープニングから緩んでしまったのは心身のみならず涙腺も。
いやん もう(笑)
クラシック的な生音。私はBass寄りのお席、ピアノに負けることなく両者がとってもよいブレンドで聴かれました。
MCではくだらないギャグ(←御本人いわくです)もさっさと進み、塩入さんの御紹介はきちんとあり安心安心(笑)
進めます。
クラシックのオリジナル曲、齋藤さんが好きという、2ndアルバム収録の曲、クーセヴィツキー作の小さなワルツ
左手がBassの上をワルツのステップを踏むように切れ目なく縦横を機敏に動く様が見えて(ライブならではですね)テクニカルな曲であることはわかっても、明るい曲想と動作が笑顔を呼びます。ピアノの軽妙なタッチにドレスの裾が舞い、ふんわりとした掛け合いが自然に組まれていって、しなやかな流れに気品が乗ります。
齋藤さんの為に塩入さんが作曲なされたこと。コントラバスにとても合っていると御紹介がありました水のない河
あぁあ”〜〜だめだ〜〜最初の音色、真っすぐ一途なBassが感情のひだを直撃!音色が落ち着いているほどに、ほの暗いメロディにデリカシーが宿り、気持ちは内向へひた走り、心の深層を映しだす。
じ〜〜〜ん〜が止まらない。
ピアノの鮮やかな上下を揺さぶる何連音符かわからない程の超高速伴奏がより深く深くと、ただ果ての一縷だけを絞りこませる為の激流とも聞こえる。とても煌びやかな音色が、揺さぶりをかけることで一点を露にし、ベースの深い音色が、歌うというより密やかな声と届く。心の深層をぐっと捉える力をもった楽器であることを知らせているのとも新たに思うのでした。

MCで「コントラバスというと、ソロの出番は「辛い、重い、暗い」場面で使われることが多く(会場笑)美味しいところはヴァイオリンorチェロにもっていかれる」とのことで、イメージチェンジを図りたい?らしいお話をなされました。早速、イメチェンを意識なされて韓国ドラマ、ラブコメディに感化されて齋藤さんが作曲なされたラブバラードな新曲です。
春の声に誘われて
開演前プログラムを見たときに、春の声♪って…シュトラウスをもじっているのかしらん?(ギャグを連想しちょっと考えちゃいました・笑)と考えすぎ、ピアノで赤いスィートピー♪が始まる?な妄想を描き、いえいえ。
待ちに待った春の声を聴く喜びに充ち一緒に歌い、きっと微笑み交わす優しい気も奏でているベースの調べです。低音のぐっとくる一音のスパイスで春をいざないつづけていた、そして広がる音域が暖かな春風と日差しをぎゅううっと抱きしめて、甘美なメロディは闇の色を桜色のパステルで染め抜いていく。塩入さんの優雅で華麗な伴奏は暖かな陽射しの当たり加減で様々に変化する幸せの表情を想い、春の声は喜びの気持ちを運んでくれたあなたなのですね。ハッピーエンドはピアノががつんと決めて教えていました。拍手。
しっかし
そんなロマンティックな空間に浸らせてはくれない。
チャルダッシュ
出だしのソロから「暗い、苦しい、凄みがコワい(私)、背筋が寒々しく(私)」が押し寄せて。でもでもやっぱりこの曲をベースで弾くこと自体神業!?じゃないのかしらん。高速技に呆気に取られました。テンポにヴァイオリンと変わらぬ小気味よさを聴き、緩急のピアノとの一体、生演奏の醍醐味がぞくぞく迫って、中間ピアノの緩やかなソロでのベースの低音にベースがすっと脇に回る音程の差がすごく良くて、でも耳はベースを追って、これからくる超高速を心に構えているので、尚更不気味なことといったらこの上ない(笑)反面、この音に、そうかベースだったのよね(他の楽器を思ったわけでもなく聴き入っていたの)と忘れさせてていたほど。テクニックで弾き切られ、二人の胸のすくような快演です。
ひゃっほ〜〜の声が上がり一部終了です。

流れているBGMがヴォサノヴァ、Jazzと聞いていますれば、いきなりショパンのノクターン、どクラシックが流れたり、BGMでもかき乱されながら2部を迎えます。(演奏の方が気持ちは安定していたとも)
伝えたい気持ち齋藤 順
夢のあとに フォーレ
。。。Last Night 齋藤 順
三部で一つのスト―リーを作っている恋愛三部作、気持ちを伝えて、破れて…踊り明かして忘れよう??な齋藤さんからの曲紹介に、笑いも起きました。
伝えたい気持ち 目立ってどこが悪い!の方がためらいがちに弾き始めるメロディに思わず、かわゆい…と呟きたくなるわたくし。いじらしく甘美な音色がスケール大きいベースをとても繊細である側面を想わせています。夢見心地のBowingには自然な起伏をこめながら深々と歌いぬき自らを奮い立たせるような、また随所で胸をきゅんと鳴らす表情があり、繰り返す美しい旋律の意味に込める想いを感じ取りました。ピアノのソロできっと想いを伝えようと決めたのでしょう。そこから力がこもっていくように聞こえました。
そぉ〜〜んな想いも、破れて、夢のあとに
ピアノが憂います。傷心にこの優しさはきつい(沁みる)ベースも暗い暗い。どん底に落ちます。でも高音域へ展開していきますと神々しい古典の響きに、ほのかな光の筋が見えてくるのですよね。ピアノの抑えるのではない慈しみの音色が朗々とうたうベースを引きたてていました。
失った恋への感傷はどこへ。切り替えははやい。
軽妙洒脱な。。。Last Nightへ 
ライブでの曲の流れで、イメージもすっと変わってしまっている楽しさ。今まではBowingの曲を演奏してきましたのでピチカート曲へ変わったことも空気を一新。最初の低音が暗くない。手拍子が似合いそう。
CDとは違う展開がピアノが前半は主役?アドリブなのかしら、Jazzyな感にリズムがくっきりうねる様が今迄の雰囲気とか空気の概念を突き抜けて、違う領域へ牽引していく魅力でぐいぐい引きつけていって、音がまるで形あるもののような存在で動き回っている、そこに感性のグラデーションが施されてこのお二人だからの世界であったと聴き惚れました。開放的で惜しみない両者の鳴りっぷりがすっごくいい。Bassの指さばきの綺麗な技と伴奏でも刻むリズムと音の切れ味とかアクセントの妙がもうもうカッコよくてリアリティを増して素肌にまとわりつくよう。踊り出したい(いえ、まったく踊れません汗)愉悦に溢れた音のしぶきが会場へ飛んでいきます。リズムのもつ躍動に生命力が沸いて、一気に忘れられますね。
この三部作を聴けば、ポジティブな方へ向かいますので、気持ちは伝えた方がよさそうです。
恋愛三部作は終了。
んが、塩入さん、右手でしゃらしゃら〜〜と鳴りモノを動かし左手はきっちりピアノを弾くというこれまた神業のイントロから重ぃ〜いベース再現。記憶を消して
齋藤さん曰く「重い、苦しい、暗い 」コントラバスぴったりの曲(会場爆笑)
でも。重くなくなっている?曲想なのかしらん?お話のマジックかしらん?
春の声に誘われて♪で闇色を桜のパステルカラーに塗り替えてもらい、再び闇の色へ。ではなく。
咲いているハスの花を思いました。いつぞやのライブで映像が流れました写真記憶が蘇って。
ハスの花は泥水を栄養に咲きます。泥水が濃ければ濃いほど大輪の花を咲かせる。泥水の中から汚れることなく立ち上がっていく姿、神秘が育む気高い美を曲に想いました。
もうラストです。リベルタンゴ
齋藤さんはタンゴで学ばれ、タンゴには思い入れがあるとお話なされました。恒例の曲は私達も待っています。
ベースのソロから始まります。とても滑らかな音の繋がりと、まろやかながら強靭な調べに、ピアソラの音楽に聴くロマンティシズムとか、普通とはちょっと違う異質な世界の音色の歴史が紐解かれていく重みが漂っていると。
その感覚は塩入さんはピアノの蓋を叩き(定かではありませぬが。見えなかったので)左手は低音のみを弾くという神業2(もっとありましたかも)低音に低音を重ねていく響きへ繋がっていきました。まるで今へ解き放たれていく流れを示して。ときどき鋭い高音が入るのはピアソラの視線?どきっとしつつ。それにしましてもBassとピアノだけなのに、スゴイグルーヴ感。疾走する調べも先走りなぞ全く感じず、Duoの理性の確実なコントロールで終盤に向かう畳みかけていく音の連なる渦に巻かれ、しびれちゃう感覚はあぁもう、どうにでもして…
ワタクシではございませぬ、ピアソラの声を代弁よん(笑)
私的に、今迄聴いてきまして。今回のリベルタンゴがいっちばんのお気に入りでした。
弾き切られ、一瞬の間をおいて湧きあがる拍手はもちろん大喝采。すごっ
そして
encore
ロンドンデリー
えへへ。4拍子でした。前回の記事、間違っていまして。ワタクシはいかに知識が浅いかと露呈しています。スミマセン。
深深と響くBassの音色が、思えば今迄のライブでも楽器を駆使している感が全くなく、自然発生的に音色が零れてくるような錯覚であったと聴きながら、楽器は、Mr.BAssmanさんの身体の一部となっている抱かれている大きな愛情をも聴きました。暗いとか、重い…のイメージとはかけ離れた包み込む極上の音色であると聴いていました。
二回目のencoreを求める拍手は止まず、再再登場。
30分という短い演奏時間ゆえに、次回は40分にはしたいと仰ってくださいました。
はい。第二部は40分位でした。
Duoは久々というお話。CDもストリングス他が入っていることが多いので、でもやってみましたら、良いよねと。
全く違和感なく、前述しましたが、お互いに惜しみない鳴りっぷりで弾かれている、でも抜群のバランスで。瞬間瞬間のBowingの揺らぎ、テクニックのピチカートにノックアウトされたく、ずっとずっと続けていただきたいです。

記憶を消して
映像を重ねたハスの花は泥が濃いほど美しい花を咲かせる。泥を人生でいうならば、苦難、哀しみ、の部分でしょう。
タイヘンなことです。きっと皆、色々な泥を抱えながら己の立場で懸命に生きていると思います。
齋藤順さんの深い音色に想う、強靭な芯を宿しじっくりと育て、立ち上っていく音色のように。
私達も、必要な泥に導かれ人々に喜んでもらえる小さな花を咲かせられたら、周りの綺麗な水で生き物が生息できますようにと願います。

ありがとうございました。
takako.