この秋一押しのスペシャルな一夜でした
出演:saya(vo)/塩入俊哉(pf)/楯 直己(perc)/岡沢 茂(B)(^u^)

Set List
1st
1.遠き山に日は落ちて/作詞:堀内敬三 作曲:ドヴォルザーク 編曲:塩入俊哉
2.叱られて/作詞:清水かつら 作曲:弘田龍太郎 編曲:塩入俊哉
3.中国地方の子守唄/民謡 編曲:塩入俊哉
4.童神/作詞:古謝美佐子 作曲:佐原一哉 編曲:塩入俊哉
5.高砂や〜/編曲:塩入俊哉
6.リンゴの唄/作詞:サトウハチロー 作曲:万城目 正 編曲:塩入俊哉
7.約束/作詞:saya 作曲・編曲:塩入俊哉

2nd
8.時を越えたラブ・レター/作詞:saya 作曲・編曲:塩入俊哉
9.蛍の光/スコットランド民謡 編曲:塩入俊哉
10.リンゴ追分/作詞:小沢不二夫、作曲:米山正夫 編曲:塩入俊哉
11.お祭りマンボ/作詞・曲 原 六朗 編曲:塩入俊哉
12.越天楽
13.漂泊の旅路/作詞:saya 作曲・編曲:塩入俊哉
14.オリオンの行方/作詞:saya 作曲・編曲:塩入俊哉
15.勇者の夜明けに/作詞:saya 作曲・編曲:塩入俊哉

encore
Fly like an angel/作詞・作曲:KATSUMI 編曲:塩入俊哉
 
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心のオアシスに戻っていく遠き山に日は落ちて〜 ドヴォルザークの名曲よね下校時間の家路とも。
…黄昏時の秋色にゆったりと聴いておりますれば…
…童謡、歌曲を正統派で表現する一番が終わり 
二番。ぎょぎょっグルーヴ感はだいへんし〜〜ん(何故かヒラガナ・笑)
前衛とも取れるまったく違う発想の音の出現で心臓がバクバクと鳴る。
多彩な演奏技術を要する塩入さんのアレンジにエッジの立った切れ味と重厚な音色が清々しい程のBass、雰囲気に乗りさらに空間を広げるようコラージュする楯さんのパーカッション、全てのバランスを構築するピアノ。そして歌い上げるsayaさんの声色も熱を帯びる。メンバー紹介がここであったことの意味に鼓動が早まる早まる。
「みんな〜ノセテいくぜい! 心して付いて来い〜!」
(とは申しませぬが。弾んじゃったものですから、心意気をステージ上の気持ちは慮らず私流に書いてしまいましたとご理解ください)
ロック系の威圧する音色でなくも心の底から乗せてしまう、ジャパニーズJazzロック?そこに余裕な表情で堂々と歌われるsayaさんがとっても頼もしく大きく存在をうつされ拍手喝采を浴びたオープニング。
「和と洋の融合」とお話しなされたこのライブのコンセプトが最初にがつんと!
謎だっただけにカルチャーショックで固まるワタクシ。
童謡、歌曲にも心を弾ませる魅力をまず再発見です。
これからに聴く姿勢も前のめりになる気持ちを抑えるかの如く。
叱られて
ワルツ系。二人の男の子と故郷の三点がリズムとなりじっくり聴く曲の良さが浮かびあがていくよな感に、sayaさんのソフトな声が郷愁と寂しさを優しく包み親しみやす添ってくる。
中国地方の子守唄こちらは日本の歌曲路線。心に染み入る歌声には、重心低く深いベースとずっと刻まれる流麗なピアノで単なる美しさだけを越えた深遠な色彩の様相を感じさせ、琴、笛、が和のノスタルジックな感傷を呼びよせる。楯さんのお店大活躍。スタッフが何人おいでるのかと思うほど多彩。三人で生む構築の音幅、スゴイです。
つづく、童神も子守唄です。
sayaさんの赤子を抱く姿を見つつ、お召になられているアオザイの一つ一つのピジューが煌いていく、唄い微笑かける角度で色合い豊かに輝きの表情変えていく赤子。それでいてとてもエレガントなアレンジは涙が溢れる暖かさを聴きました。

600年前に作られたという、高砂
はい、あの「たぁかぁさぁごぉやぁ〜〜」です。
お能です(sayaさんのご説明で)でもその節しか存じませんし、曲なの??塩入さんが楽曲の世界を造り上げたのですね。この発想自体、徒者ではございませぬ。
果たして…
楯さんのホーミーで始まる!!600年と今を交信しあう倍音周波の連鎖は命を呼び込んでいるよう。
振り幅少ない節を籠って歌うsayaさんの声はお能をイメージでき慎ましく幽玄。語りは自らを導くように強い口調が光を当て明晰な声にその先には幸福があるのだと知らせてくれる。
現世と来世をこだまする楯さんのヴォイスが時代の遠近を聴いていると届けば、現代音楽の陽光燦々と浴びて祝祭の声にお能音楽が神々しく開ける。そこに活き活きと歌う今迄観た事がなかったsayaさんのまるごと強烈で斬新な個性を印象付けていました。
聴けば、まことに歌い易そうなテンポであり、言葉が乗り易い…と錯覚をおこす自然な流れ。
いや、そう感じさせるマジック。
あぁびっくり。誰が、高砂や〜をアレンジできようか…
リンゴの唄
心の温度が真っ赤っかに上昇しているのでリンゴを持った時のひんやりとした感覚と固い触感に触れた時、可愛らしく愛おしむsayaさんの声。歌詞全部が肉声で語りかけ慈しみの対話を交わしている流れに安らぐ。塩入さんのピアノが細やかな陰翳を施しその時代の背景を語っているようでした。
前半ラストは約束
歌ってくださることが想いに添いますようにと願います。

第一部で既にお腹いっぱい!でも帰りたくないです(笑)
sayaさんオリジナル作品の時を越えたラヴ・レターそしてスコットランド民謡である原語ver.螢の光
後者は最近ライブで聴かせていただくにつれて、アメイジンググレイスに似た祈りの比重が大きくなっています。民謡なのですが。
リンゴ追分
昭和が香る曲。sayaさんがイェ〜エ〜と節を回せば耳をぐっと引き込まれる色気を聴き、クラっとする間もなく、ぎょぎょぎょ、今的に、じぇじぇじぇかしら。 
お祭りロック(ではないのですが感じでね)へ身を翻した!そう、和と洋の融合におじさんおばさん手拍手(オモテ打ちなのもロックではないか・笑)ノリノリ。
お祭りマンボも。sayaさんの歌のリズムと三人の演奏でのエネルギッシュな面を余すことなく自由自在に相乗効果で剽軽な感じが増して面白い、ラストの気怠さもどうにかなるさと気が軽くなる(いい加減でない、これが昭和の感覚でもあった)ノリノリの拍手は最後まで笑顔と一緒に沸きました。

私の白眉な曲、日本最古の歌曲、雅楽でもあるとのご説明がありました越天楽
日本の雅楽は守られてきた伝統音楽でもあるので、日本のクラシックと思うのです。
その越天楽をこのライブでしかあり得ないアレンジ、に呼応するステージのアルチザン達の集合音。ピアノと歌から、楯さんの太鼓がどどんと空を動かし轟かせた、ど迫力から岡沢さんのベースが滑り込みsayaさんの歌が入るやいなや、伴奏陣がすっと引く絶妙のバランスにぞわわっと鳥肌立ちました。そこで岡沢さんのベースはピアノのベヒシュタインの如くに純粋な低音がきっちり綺麗にひびきそれでいてまろやかなベールをまとうと。主役であるsayaさんの声の出し方もほかの曲とは違っているように聴こえました。正統派クラシックとも和製オペラとも。越天楽は日本最初のオペラであったのか。
そしてここに、ネオクラシックのジャンルは、本土上陸!!
第一部での高砂やと越天楽には日本人でしかうまく表現できない言葉のニュアンスとヴィヴラートが詰まった曲であると思う。英語他の歌詞をクリアにリズミカルな発音で聴かせてくださるsayaさんの持ち味は日本の歌でも本領発揮です。斬新なアレンジにもスケール大きく凛とした美しさで歌い上げる声に感動しきりでした。ぶらぼ〜〜〜〜〜〜〜

息をもしたくないくらい極限の緊張で聴きたい漂泊の旅路
色々素敵な解釈がありますので。引込めていた私のイメージをここでちょっと書いてみたいと思います

遡ること、本年如月の始め。
全面氷結した湖には、月夜に照らされる厳寒の空気で氷は膨張と収縮を繰り返し、やがてバリバリと音を立てて山のようにせり上がり一筋の氷の道が現れる。男神が下社の女神へ渡る恋の道とも言われる御神渡りである。
その情景をこの曲で毎回心に描いている。音楽というあてのない見えないものを湖の奥底からエネルギーを溜めた力で割り開き、せり上げて出来た氷の道の上を一歩一歩踏みしめ進んでいく。神秘的に始まる漂泊の果てには神々しい音の道が生まれていたのだと。祝詞の声にまさに音楽の御神渡りであると心が震える。
他人には踏み込めない許され歩める方だけが氷の道を裸足で踏みしめていく強い意志と守りあいながら揺るぎない想いで進むと歌詞に聴きながら。
sayaさんが魂の力で歌うほどに男性の神が厳しい闇の中で道を築き氷の標を立てていった奥底を聴くのでした。
そそり立る御神渡りをラストでは一息で割り、沈めてしまうドラマティックさにもぞぞっとくる(と妄想)。

さてさてほっと息が自然に整ってくる曲で終盤へ向かいます。
オリオンの行方ファンタジアのアルバムの中で、一番人気のある曲というお話。
これからの季節、夜空を見上げれば口ずさみたいですね。ロマンティックな歌詞とメロディ。sayaさんの息遣いがダイレクトに伝わってくる親密さに夢見心地度は満点満天です。
お腹いっぱいなハズなのに。もうエンディング。
勇者の夜明けに
心に添ってくれる感覚を得られる楽曲は人それぞれに違っていて、また世代で変わっていくものだとも思う。
20代の頃「元気を出したい時どんな音楽を聴きますか?」の問いに「明るい曲」と答えましたら「若い証拠です」と返ってきました。昨年のファンタジア発売記念コンサートでこの曲を聴いてから涙が溢れる定番曲となっているのです。アグレッシヴな曲でウォ〜〜っと盛り上がり気を高められた20代での感情とは全く異なり、なんだかわからないけれど涙が沸く、嬉しくて。そこにも心を癒す歌の力を感じずには居られません。
アンコールでのエレガントで空間に立ち上っていく声には、ふわりと羽ばたける自由さを聴いていました。

お客さまは男性の方が多く、紳士率高し。始めは襟を正した紳士的な座り方で聴いていらした。
が後半では、sayaさんと曲にのめりこみ紳士なスタイルはどこへ。腕を組まれ聴き入り良い意味でのあるがままのリラックスなされたお姿と見受けました。
グローバルであるより、表情豊かなローカルでこそ通じ合える。日本という風土がもたらしている変わらない本質があるのだと。
そこに心安らげる日本の心の精神に通じるsayaさんのライブであったと証明されていたのでした。

遠き〜やまに〜日は落ちて〜〜
家路♪は下校の曲よと美奈子.さんが語られていた思い出でオープニングの曲を聴いていたひとつの意識。
終盤、寛がれる紳士たちの後ろ姿を重ねながら、
暖かな時間を過ごし一日を終えましょう。そして明日への活力を養いましょう とのメッセージであったともオープニングの曲をsayaさんの声で大きく刻まれていた私でした。

sayaさんの多彩なジャンルを歌い上げ惹き付けて止まない音楽性とその力の完成度はどこまで高められていくのか。目も耳も離させません。

ありがとうございました。
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10.17.記