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一晩考えまして。えへへっ再掲しまあす(^^ゞ
2014.2.28.@Nagoya Blue Note 古川展生×塩入俊哉『Gentle Souls』
cocktail Gentle  Souls 
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どう向きを変えても、かぶってしまって…。スミマセン。

Set Listです
愛の言葉/G.カサド
ルーマニア民族舞曲/B.バルトーク

アヴェ・マリア/G.カッチーニ
別れの曲/F.ショパン
愛の悲しみ/F.クライスラー
荒城の月/瀧廉太郎 Cell Solo

My Favorite Things/R.ロジャース
ブルレスク/N.カプースチン

水のない河/塩入俊哉
ソレダー/A.ピアソラ
ブエノスアイレスの冬/A.ピアソラ
リベルタンゴ/A.ピアソラ
encore
鳥の歌/P.カザルス
約束/塩入俊哉

続きです。

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オープニングは愛の言葉
カザルスへの親愛と尊敬の念をもって書かれたカサド作品(解説より)
チェロは舞曲リズムを、エッジの切れと柔らかなターンで鮮やかに描き分けて。これだけで充分テクニックの聴き所満載なの。それは楽器の持つ音色素材を混沌とあるがままに呈示し、この作品が単にキレイごとではない入り組んだ側面を持っていることを聴き、さらにピアノがぐっと引っ張りだす、内蔵までえぐられちゃう??刺激。
現代は人とのつながりは表面は、実は奥が深い感情があるのと想うほど。 ラストチェロの回転技の滑らかなこと。そこはナルシストかな(笑)緻密なアンサンブルにピアノが要所要所でのメリハリのきいたスパニッシュなアレンジにとても個性を感じ取っていました。
この曲が、こんなにもえぐい(笑)曲であったとは。
ルーマニア民族舞曲
小品の中に第6曲も含まれている高濃度の世界に、複雑な感情表現の変則的な面白さがすごく出ていて、フットワークが軽く、陰翳すらもうっきうき。ライナーノーツに書かれている曲想に併せればその通りなのですが、オケのCDで聴いていたのはテンポもゆっくりですのでDuoの演奏にはたまげました。また弦のファルセット?な響きは掠れる高音の無機質さに、地味ではあるが謳っているから一抹の不安もよぎる。と思えばいきなり快濶に踊りだしたり、一変しっとりな低音の声で謳うし…翻弄というより、うっとりしちゃいました。つま弾く指の軽妙なフットワークに即Bowingと、この離れ業、すごい。
前曲でのテクニックで描く音色を堪能すれば、醸す音色の多彩さを存分に聴かせてくれる作品、超ハイテクバルトークはすごく難曲なイメージがありますが、感じさせない。
スミマセン、ピアノが遠のきました。えへへ。  
アヴェ・マリアカッチーニ
耳に馴染むアヴェマリアのピアノのイントロに遠近で寄り添うチェロ、ここが堪らない。 タイトルからも神聖な域であろうが、朝陽が神々しく昇る瞬間を見ている感覚が浮かぶ。 ヴィブラートの美しさは極上。中間部でのピアノソロがクラシックを少しポップにした新鮮さが身近で親しみを覚える。ラストのつま弾きも語りに近くて密やか。静音までも耳をそばだてていました。
別れの曲ショパン
塩入さんの、えっと(^^ゞ…ショパンの他のエチュードでしたかしら、を、Mixしたアレンジが流麗なピアノだけでもずっと聴いていたい、のですが。メロディはチェロです。前曲のBowing奏法は同じでも、細やかな分散和音の音形が彩る前衛にオーソドックスなメロディの運びと思わせても(思ってはいない?笑)曲想と相まって全く違う響きで楽しめる、音の確実な指運びが決める強い想いと伸ばす音の行方がとてつもなく綺麗。いえ、別れの曲ですので、サビシいハズですが。理性のしっかりしたコントロールは内側からも外側からも理想のバランスに、音色に酔っているままに別れを切り出されたら、すんなり受け入れるしかございません。
これが作戦なのかも(笑)
しかし我に返れば、悲しみはもれなくついてきて。告げられた側の出番よ。
愛の悲しみクライスラー
ヴァイオリンで耳にする名曲は、ライナーノーツに書かれたJazzのテイストでニュアンスが変化。
ヴァイオリンVer.でのピアノは伴奏一辺倒なイメージ(とこのアレンジを聴いて気づく)に、悲しみに浸る己を美化する、やっぱりナルシスト系なのね。
が、このDuoでは静かに悲しみに浸ろうと思ってもチェロの音域であることも、悲しみの浮き沈みと落胆の振り幅を大きくし、更にはピアノが大いに気持ちに乗っかってくるので雑念が色々浮かんじゃって、ややこしい(笑)これぞ自分に近い感情でしょう。
失った想いには様々な事象が絡んできた結果の悲劇!であると納得させる技アリ。
チェロのソロで荒城の月
彫刻作品を形作る彫りの深い響きでもあるのに力み過ぎず自然な佇まいを見る。
無伴奏でも伴奏付き、哀愁のメロディからすっと変わるエッジの効いた和音。またまたその中にメロディを際立たせている武骨な響き。その両音のせめぎ合いがまるでチェロ奏者2名で奏でている錯覚を聴いているようでした。 チェロの独奏であることが、古典との融合と艶を消した(音色ではなく曲の)落ち着いた渋みを存分に引き出していると思う。
ライブ空間がブラック系に染まる中に浮かぶ、今夜のカクテルがキレイ。
私のお気に入りカクテルにしたかったのですがノンアルコールが無く、残念。
My Favorite things
何年か前、このBlue Noteへ五月の月に来た時、街路樹の若葉が光輝き柔らかな風に揺れていた情景を思います。反対側には珍しいブルー看板のデニーズが見えていた。んが今日は、、見通しが良い…あらら、建物ごと無くなって、駐車場へ変身〜。 そんな驚きと私は車を停められてラッキーな気分は、Jazzな即興的な調べに忘れられないまさにお気に入りの場所。 新たな展開が待っている曲に、そうだ、名古屋行こう〜♪ これからは遠征先での土地を思い浮かべてみましょうか。
さぁああ来ましたよ、アクロバット名曲、 カプースチンのブルレスク
古川さんがお話なされた作曲者カプースチンのすごいところは、音符を一つとも間違うことなく書き残すことだと。 つまりは、演奏者は一音たりとも間違えてはならないのですね。ピアソラの楽曲にもございましたが。
こちらの曲は兎にも角にも音がどこへ飛んでいくのか予測不可能。私にはクラッシック領域で巧みにJazzが飛び跳ねている感じ。なんでも来いな気迫と、リズミカルな音の自発性に私はこの曲を自分の音楽領域に取り入れたい!心が求める。聴くことは受け身であってもおのずと突き動かされる能動的な昂揚は、自身の音楽感性を深めること他ならない。演奏は今までの立場が逆転。ここぞとばかりにチェロが対話で煽る。つま弾く音が、柔らかでバルトークの時とかと全然違う柔和さ、一歩引いた音色に余裕を。この時ピアノがアクロバットなメロディを奏でていて、その妙にも感動しきりでした。かっちょいい〜〜
古川さん「塩入さんカッコいいですね〜」「チェロとピアノでは初めてではないか」とも。さすが。圧巻の演奏でした。
古川さんがGentle Soulsでのもうひとつのテーマとお話なされた”愛” コメントにも書きましたが、私は具体的な文字で愛を書くのは大変苦手でして^^;お客様、心の特権ということにしましょう。ので、いつも通り(笑)曲想です。
愛の夢リスト
ほんっとに心が洗われていく。 滑らかに進む甘美なメロディを奏で、密なピアノとの調べは、横の流れよりむしろ縦の空間を立体でふくらみをつくり、そこに生まれる真っ直ぐな表現が男性の包容力、雄大さと深いつながりを思わせていました。音楽家の皆さんはロマンティストと思われます。
その塩入さんの曲説に古川さんもLineの話題で絡み、
水のない河塩入俊哉
忘れ去っていた想いはどれほどまでに心をかき乱すのでしょう。ドラマティック路線まっしぐら、堰を切ったように。
決して目には見えなかった想いが一粒の水玉が転がっていく存在でピアノの圧巻な流れにものまれずに見せる。それが底辺に鎮まっていた感情だったのでしょうか。でもこの流れを聴いていれば、音楽への熱いまなざしの奥深いところでの真剣勝負のような純粋な味わいがあって。
あの頃終わりを考えずに過ごしていた純粋な気持ちへの回想も心を揺さぶるのです。
クライスラーもリストもショパンも。アレンジでお互いの音色がきっちり主張されていると思う、なのに曖昧に染まることなく音楽の深い部分で融和するのよね。この曲も。
ソレダーA.ピアソラ
冷静沈着な空間に冷たい風がびゅんっと吹きそうな。ニヒリズムを湛えた精神世界。どんよりとした冷ややかな空気を宿すピアソラの世界を素直に表現する自然な風合いを聴き、哀愁を語っている。伸びやかなメロディには優しさを伴った演奏者の温かみを感じるのです。するとピアソラが穏やかに微笑んでいる不思議な感覚も呼び、翳りの響きが美しいのでぞくっときます。
カプースチンにピアソラ、次々に秘宝曲を開拓。やっぱりこのDuoは他の追随を許すものではないでしょう。
そして同じくピアソラの曲で
ブエノスアイレスの冬
もう数えきれないくらい(ちと大げさかしらん)聴いてきているのに少しも飽きさせない展開。毎回少しずつ違うフレーズが挟まれますし。だから、チェロのフレーズ毎の響き、軋む音、ラストふくよかなつま弾き、ニュアンスの違いが明らか。奏者同士のアイコンタクも多分無かったのに、同時に始まる阿吽の呼吸。ずしずしと寸胴ともいえる進み方には、冬の困難に立ち止まることなく前へ進もう、希望の道を開拓していく強さと勇気を具現化している。また、超精密に絡んでいる音には、ソリストの存在を大きくしているとも。
本編のラストは
リベルタンゴ
鋭利でエネルギッシュな前奏は心からわっくわくをもり立てる。グルーヴ感を支えるピアノは楽器の枠を超えて、金管楽器も打楽器も備えたよう。ラストに向かうメロディのチェロが同じフレーズをはっきりクリアな音色とくぐもった音で陰翳を付ける音色を聴いてどきっとした。掠れた音もバルトークでとは異なる憂う掠れ、曲の隅々にまで情熱の想いを注ぎ込める多彩な音の解放感、 だからお互いの主張が出来るし、尊重しあい融合しながらも邪魔をせず音色が立つのです。こういうバランスは阿吽の呼吸以上のテクニックも音楽感性も揃った、その構築が最高のレベルで結びついていると想う。真のリベラルな音楽。

リアレンジを施された今までにないCelloの小品集。馴染みあるクラシック曲も、あら、ちょっと違う。こんな感じも素敵〜と気づくとき、より曲への興味が沸き、過去の作品と聴き比べたり、新たに知った曲の原曲を知ることも。
於いてはクラシック作品を音で残し伝えていくことになっているのではないでしょうか。
クラッシックの味わいと基本は崩さずに、現代音楽のモチーフを織り込み、その微細な部分に構築させていくアレンジ。現代の音楽感性が私たちの心にいっちばん近くフレーズが記憶に刻まれる。
ん?アレンジを加えること自体が、さりげなくとも楽譜も曲想もいじっちゃうのだから。大胆なことなの。
Gentleなのがくすぐるのよね。
…Gentle 革命が動き始めていた。

…もとい
…古川さんが、ぐっと弓に力を込めて引き抜くラストの動作は、
… 瞬間、書道家に見えました。
…と思ったのはワタクシだけ?

ブラボーの声に導かれたアンコール
鳥の歌P.カザルス
ピースピースと鳥が鳴く平和へのメッセージ〜曲説より。
原曲より複雑なコードが絡み、鳥が静かに羽ばたいてゆくような穏やかな流れとむせびなく音には平和の影の部分が重なる。平和を願う万国共通の思いを乗せて、最初とラストの慎ましいチェロはヴィヴラートが控えめであることが、奥ゆかしい日本の情緒をも思った。
約束塩入俊哉
初めて耳になされた方、誰もが忘れられない感動で記憶に刻んでいる。
音色は聴いた瞬間から過去へと押し流されていく。沢山の記憶が宝物。それが私を支えてくれて進ませる。
それぞれが持っているでしょう、3.11.への想い。

 

ありがとうございました。 
takako. 3.6.

読み返し、ライナーノーツを読みながら書いていれば冗長化^^;なんだか偉そうです。
MCは曖昧なので省きましたら、ライブ感が薄れていると感じました(汗)
…私のはここへ置いて於いて。

Gentle Soulsツアーを、各地でのライブレポは他のブログで感動の声が書かれてあり、とっても嬉しいですo(*^▽^*)o~♪ 皆様も是非。
古川さん、塩入さん、藤澤さんお疲れさまでした。もっともっと多くの心に届きますよう、ツアーの再開を願って居ります。
尾張(おわり)は名古屋でございました。MCで古川さんは真面目に呟やかれたので、笑えず…(^^ゞ

追記
右サイドバー、カテゴリー”Concert Revue”(200)、このページが 200回目の記事となりました。
にっ にひゃく回書いていましたぁぎょっすごい〜(っと自分に言ってみる・笑 HPにリンク張るので気がつきました)
いえいえ、お付き合いくださる皆様に感謝して居ります