2020.2月8日sat.
レジェンド・オブ・クラシックス〜雪ものがたり〜
八ヶ岳高原音楽堂
Member:藤澤ノリマサ(vo)/古川展生(vc)/塩入俊哉(pf)

1st.
1.願い 作詞:藤澤ノリマサ 作曲:Ottorino Respighi  藤澤ノリマサ 08.11.26
2.AVANTY〜La vita e  bella〜 作詞︰西田恵美 作曲:藤澤ノリマサ 18.08.29
3.愛のモンタージュ  作詞:藤澤ノリマサ 作曲:ベートーベン 藤澤ノリマサ 09.12.02
4.Period 作詞:藤澤ノリマサ 春和文 作曲:藤澤ノリマサ 13.09.25
5.Tokyo 3a.m. 作曲:塩入俊哉
6.Otonal 
7.One more time  
8.Moldau〜夢叶うその日まで〜 19.12.20

2nd.
9.君が待つ家〜AVE MARIA~ 作詞:藤澤ノリマサ 作曲:シューベルト 藤澤ノリマサ08.11.26
10.レジェクラのAVE MARIA 
11.地図のない道〜
カッチーニ Ave Maria 作詞:藤澤ノリマサ 作曲:Gカッチーニ 藤澤ノリマサ09.12.02
12.愛の悲しみ  F.クライスラー
13.親愛なる言葉  G.カサド
14.雪あかりの駅 作詞:五木寛之 作曲:藤澤ノリマサ 15.1.
15.SOLARE〜威風堂々〜 19.12.30  
16.リベルタンゴ スペイン語 作曲:A.ピアソラ

encore
海と空
愛の讃歌 


・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
駐車場から音楽堂までの道は、例年ならば圧雪みち。道と道外の区別がつかない終了後の夜道はおっかなびっくりに歩いたわぁ〜〜。 
今日はアスファルトの鉛色が道しるべ。スキップしたくなる余裕(笑)は嬉しい。
…いやいやいや浮かれてはならぬ。
ステージの向こうに広がる白樺の木肌の白に、空の青さと夕闇の藍色がブレンドされていく移ろいに穏やかな冷気を感じ。
拍手に迎えられてレジェクラのメンバーご登場。
チェロとピアノが同時にすっと音を流す(さりげなくさすが
願い
”リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲:シチリアーナ”が原曲。
バッハ、フォーレもありますが、ここはレスピーギ。
たゆとうメロディに温かい声は人肌。藤澤さんの歌詞のひとつひとつを声の色と風合いのブレンドを重ねしっとりと心の内面に受け取りながら、さらにピアノとチェロが会場の隅々まで慎ましやかな潤いで充していく。イタリア曲に感じる、おおらかさをも聴く旋律線の声が、会場の気をひとつにまとめてくださいました。 うっとり の一言でございまする
ようこそお越しくださいました&メンバー紹介。
いきなりのざきやま発言に和み(八ヶ岳では定番のスタイル(笑)が嬉しい)
京都駅前にあるビルと同じタイトル、藤沢さんのオリジナル曲、
AVANTY〜La vita e bella〜
前に進むという意味。ピアノの和音、今宵はこの夜空から規則正しく静やかに降る雪はパウダースノウ系。乾いた冷たさは切なさも含んでいて。
そこにチェロの調べに様々な人の表情がいっぱい見え隠れ。これからのいろいろな人との出会いやめぐり会いを予感しトキめいたり、前へ。と藤澤さんの歌い上げる力強さ、新たな気概を秘めた自由な羽ばたきが見えていくドラマティックな展開はトリオとは思えない壮大な曲へ。
ベルカントがさらに美しいカンタービレで響き渡り、一張羅のスーツが仕立てあげられていく贅沢な流れを聴きました。
一瞬の静寂が生まれ、
チェロのソロが一瞬荒城の月?かと思ったイントロから、
愛のモンタージュ
Beethovenのピアノソナタ月光がモチーフ。藤澤さんのオリジナル。
朗々と歌うというより、月光のメロディの様式を崩さす節度の中で切々と語り、そしてリリカルな味わいがさらに表立っていく。そこに藤澤さんだけのオリジナルのロマンが生まれていくよう。声が魅せます。デビューなされて12年の歩みを照らす月の光に高まるエネルギーを聴きました。
美しいバラードに導かれるよう、早くも感嘆の声が上がります。

MCはメンバーの皆さん和気藹々。夢の話からストーブ?まで。
真面目なお話も笑いに転換しちゃう場面も。申し訳ないですが面白い(笑)
ライブならではとご勘弁ください。
Period
レジェクラのCDにも収めらている人気曲。お客様幸せいっぱいなお顏が背後から見えます(笑)
ポップスの王道ラブバラード。しか〜しこの会場のシチュエーションは罪。曲の世界に入り込んでしまうほどに、気持ちが過去へ遡る。ふっと外の風景に目が移ってしまう 
いやいやいや、ステージをみなきゃ勿体ないと我に返る。
そこで”もとい”っと気持ちを現在にリセットすれば、 藤澤さんは一旦退出なさる 

古川さん&塩入さんDuo による、塩入さんのオリジナル曲
Tokyo 3a.m.〜雪〜
本日のサブタイトル”雪ものがたり”
ピアノの、伴奏に徹した音は少し湿り気を含んでいても音も立てずにさらさらと降り注ぐ雪を想う。
古川さんは曲紹介で「東京午前三時、何やっているんだろうオレは〜」みたいなお話をなされました。私、チェロの優しく艶やかなボーイングの音色や遠近のヴィブラート揺らし技が、肩の力がふっと抜けたシンプルな孤独と雪の向こうの幻夢が往来する。今宵のSpecialと。間奏のメロディにも夢見心地な幸せを感じていました。
っと気持ちをゆるゆる緩めていれば、
”僕が主役!"と言わんばかりのピアノが間髪入れずに和音が世界を変え、ギョ!
お客様の背筋がしゃん。耳が吸い付いた
Otonal
羽生選手のショートの曲。1月6日7日東京国際フォーラムでオーケストラをバックに弾かれた曲とのことです。
わぁ〜〜〜い生で聴かれて嬉しい……
の気持ちは瞬時に吹っ飛び、しかし、いきなり激してはいかない。腰を据えて底辺からドラマを滲ませているソロ。そして兎にも角にもドラマティックなメロディが鮮やかに次から次へと惜しみなく流れ、場面が変貌していくスゴさ。トップレベルの技のオンパレードの如くに、鋭く調性していても歪んでしまいそうな激しさと柔やかな調性に美を保ち続ける苦難の狭間を反復しながら美しい旋律も際立つ瞬間は鳥肌モン。あれよあれよという間に過ぎて行った曲は冴えに冴え渡っていました。
ピアノが息を吹き返したみたいな歓びの音とも聴こえて、
演奏後、ごっくん…気を飲みこむ(お客様の)音が聴こえました??
すみません、チェロの音色もあったのですが、ピアノがレンジの広い型に変わったのではないかと思うほど鮮やかな卓越した演奏はすべてもっていっちゃった前半の白眉でした。

藤澤さんとのDuoコーナー。
ガーシュぅインのサマータイム(季節は関係ないわよね、と思ったら藤澤さんのオリジナルは雪でしたひとつお勉強)をモチーフにした曲。
One more time
ここに記すべきは、お二人での即興であったこと。
最初はサマータイムをシンプルに、どこからが即興なのか流れが自然ゆえにワタクシ正直、わかりませんでしたが(すみません)お客様との掛け合いも加わって(これも即興??)リズムの起伏に乗る美声もどこかおおらか。
颯爽とかっちょよいDuo。息を吹き返しちゃったピアノは嬉しくって嬉しくて、しなやかなリズムに音や歌声が舞い踊っていました。
盛り上がって、古川さん、再登場。
一部ラストは藤澤さんの一番新しいオリジナル曲。モルダウをモチーフにした曲。
お話を伺いながら原点回帰とも感じた曲でした。
Moldau〜夢叶うその日まで〜
呟く歌声につま弾くチェロの音が源流のさざ波を想い興し、やがては大河へ繋がっている。
っとシンプルに書いてしまって、作者の計り知れない想いが込められていることは表現できずに、自己流に認めることをご勘弁ください(どの楽曲もm(__)m)
耳になじんだメロディの反復にすっと織り込まれているオリジナルのメロディは、原曲の起伏との対照を明確にしつつも初めて聴く曲そのものがぐっと身近に届く。古典的なフォルムの螺旋に今までの様々な感情を絡めながら羽ばたいていきたい意欲を聴き、蓄えられる旨味を更にアピールでき、最大限に生かせるよう進んで欲しいと強く願います。
伴奏の丁寧なリズムが出すぎず、そっと肩に手を添えている励ましの音。トリオの和を聴く擦り合わせの音がとてもじ〜〜〜〜んと沁みてきました。

陽も長くなり、光が残る休憩時間。
そのタイミングを予想なされていたのでしょうか
2nd.はAve Maria 、色々なVerをたっぷりと届けてくださいました。
オープニング、まずはシューベルトのアヴェマリア。
君が待つ家〜AVE MARIA~
シューベルトのアヴェマリア、聴いたことはあると思うのですが、この歌詞は初めてかも。新鮮
しなやかで明朗な響きが、音の多層よりもメロディの美しいフレージングを滑らかに綺麗に弧を描いていけるような導きがある。優しく運ぶ風のように。
きっと意図的にテンポを速めたと勝手に思い込み、黄昏にも陽の柔らかな光がキラキラ輝く、キュートな小品は小粋です。
続くは塩入さん作、レジェクラAVE MARIA
深い闇色がブレンドされていく流れ。Ave maria の歌詞はわかりますが、他は理解出来ずとも(汗)穏やかにそして抑え気味にクラシックのベルカントで通し、堂々と歌いあげていく声はオペラでの一場面をみているかのよう。神聖な域。テノール歌手が一途に語り歌う祈りの場面でしょうか。
締めは、藤澤さんのオリジナル
地図のない道〜カッチーニAve Maria
すっと歌い始めるポップな声に、前曲での役者が入れ替わった錯覚もおきる。アベマリア〜と歌いあげる同じ歌詞の表現が前曲とはニュアンス、重みが違っている。調節のレベルがほんっと細やか。燕尾服からピッタリフィットのスーツへ着こなしを変え、すっと傍へ来られて、などど妄想しつつ聴くほどに一句一句歌い方が変わる万華鏡曲です。フィナーレへ近づく、いよいよくるよ〜〜なベルカントの気配を演奏がみっちりと編んだ音色の絨毯を敷き、その上を優雅に歩みゆくゴージャスな調べはさすがでした。
ふと、
Ave Maria 三部作を聴き、一部でのシチリアーナ、バッハやフォーレも有名。他作曲家もあるのかしら、三部作第二弾!(笑)を。レジェクラVer.で聴いてみたいとも思いました。
藤澤さんは退出なされ、古川さんと塩入さんによるDuoです。
愛の悲しみ
荘厳かつ重厚な曲がつづきましたので、クラシックの小品が夕刻の闇色にあかりを灯す。
テンポも軽やかにピアノの明確な弾け、滑らかなフレーズ、ノリは全開モードです。
親愛なる言葉
ラテン&スパニッシュの颯爽とした細やかなパッセージと微妙に変化を繰り返すテンポもなんのその。絶妙に添いあい絡む流れには、思わずステップを踏みたくなる(踊れませんが・笑)
二曲を聴いてい、てお二人の阿吽の呼吸で奏でられる楽曲は、リアレンジが施されていても,、だからなのか、古川さんのチェロもいつの時代の楽器なのか存じませんが(知りたい)その時の奏者の音色を聴いているような、手にした歓びや苦心なされて生まれた楽器自体の息づかいが継がれているような。"親愛なる"はもしかしたら、楽器への愛かしら??なんてね。
そして藤澤さん再登場。なんと松原健之さんへ作曲提供なされた曲を歌われると。ピアノとのDuo。
雪あかりの駅
ありそうでなさそうなシンプルなタイトルの存在から、なんか大きいの。引き寄せられる。
歌詞も日本語のみなのも素敵と松原さんで聴いている好きな曲。切ない演歌のイメージから、
ラブバラードへと変化しちゃいます。歌い口は柔らかく甘やかな歌詞に耳を澄ませてしまう吸引力。
ラストの消えていく足音のピアノが雪に残る跡を、残像の声は人の影、シーンのごとくに浮かびあがりました。Specialな一曲に大満足極まりない
先日リリースなされたほやほやの新曲もご披露。
SOLARE〜威風堂々〜
エルガー作曲の威風堂々が、令和の時へようこそと迎え入れてくれる出だしに、うるっときました。優しい声は反則です(笑)
それをぐいっと押す音色に手拍子も起こり、活き活き。キビキビとした伴奏の弾みに伸びやかに広がる声は、やんややんやと心の中はお祭り騒ぎ(笑)思いっきり盛り上がりました。令和版、希望の歌です。令和の時代が明るく開けますように。
いや〜これが二部のラストとおもいきや、さぁ別腹のデザートが用意されていました。
リベルタンゴ
皆様、驚くのはココから。藤澤さんがスペイン語の歌詞で歌われる、レジェクラだけのリベルタンゴ。
会場は驚きの大拍手で迎えます。
チェロのピアソラチックな陰影も更に彫りが深い。ピアノもゆったりと底辺をぐっと落として。
おなじみの序奏に歌が乗る。さすがのフレーズですが、その声の多彩色に、今までビシッと一張羅でを身にまとい、二枚目街道まっしぐらに来られた藤澤さんが。道を踏み外し、アウトロー危ない男前に変身、お馴染みのタラタタラタタ(判ります??)は言い寄ってくる美女軍団を巧妙に口先であしらっていく悔しい男前。いえ、レジェクラメンバー全員がそう見えてきた(笑)
官能的なファルセットのニュアンスは女性かも?ポップオペラからさらに多重人格な(良い意味よ)展開へと広げていて、後半の目玉曲でした。
拍手喝采に応えてくださり、
アンコール一曲目は
海と空
叙情的なメロディと歌が主役です。レジェクラでの演奏はそのメロディを彩る背景の精密な構成や綿密さがとめどなく親密かつ雄弁に語りかけてきて、豊かな音楽大地に居る幸せに満たされます。北海道の壮大な景色とそこに育まれた命の大きさを思った曲でした。ニューウエーブの風が吹きますように
アンコールの拍手は鳴り止まず、
愛の讃歌
レジェクラの原点。音楽が心を繋いできたのと思います。
きっとまたいつか奏でていただける、その時を待ちます。固く願った曲となりました。


レジェクラは充電期間に入りますと、私には泣きそうになるお話がありましたが、
このプログラムには総集編ではない、AVANTYな曲ばかり。お初の曲のオンパレードに先が続いていることを確信でき期待は高まるばかりです。
レジェクラ、初の八ヶ岳公演で藤澤さんが申された「三つの音の化学反応」
そこから私は、三つの音が触れ合う、リスペクトしあう音の擦り合せ=摩擦から体を走る静電気的な衝撃をいっぱい聴いてきました。
TV番組(チコちゃん・笑)でしっとり(日本特有の表現)の感触は摩擦から生まれるのだと。
負のイメージが先行の摩擦の概念が変わりました。
レジェクラの楽曲自体も編成も、思い返せばほんとはものすごっくアバンギャルドな構成なの。
ただし音楽理念を基に据えている上に成り立った前衛音楽。だから違和感なくぴったりフィットで届いていた。
概念をも打ち破っていく、まさに上質な音玉の擦り合せから生まれる独自の感触、時には電気がびびびっと(死語)走る刺激を感動を待っております。

2019年のConcerにも感謝いっぱい
ありがとうございました。
takako.