2月23日(祝・日)
塩入俊哉 featuring 松原健之〜第6章「冬のぬくもり」
〜八ヶ岳に響く愛の歌 繊細なピアノと雪うたの貴公子が 今年も愛を灯す〜
 出演:塩入俊哉(pf)/松原健之(vo)
会場:八ヶ岳高原音楽堂/長野県南佐久郡南牧村大字海の口
開演:16:00/開場:15:00 

プログラム
1st
1.夜と時の向こう 作曲:塩入俊哉
2.みちのく ふゆほたる 作詞 北村けいこ 作曲:川音 稔
3.北の物語り 作詞:荒木とよひさ 作曲:五木ひろし
4.瞳の奥まで 作詞:荒木とよひさ 作曲:田尾将実
5.遠野ものがたり 作詞:五木寛之 作曲:立原 岬
6.小組曲1番 作曲:塩入俊哉
7.桜の時に 作曲:塩入俊哉
8.天と地のレクイエム 作曲:松尾泰伸
9.Otonal

2nd
10.グノシエンヌ 作曲:E.サティ
11.天北ものがたり 作曲:塩入俊哉
12.ペチカ 作詞:北原白秋 作曲:山田耕筰
13.雪の降る町を 作詞:内村直也 作曲:中田喜直
14.最初から今まで 作詞:Ryu 作曲:Oh Seck June Yoo Hae Joon
15.北の冬薔薇 作詞:石原信一 作曲:弦 哲也
16.雪の華 作詞:Satomi 作曲:松本良喜

encore
17.雪 作詞:岡本おさみ 作曲:国安修次
18.雪明かりの駅 作詞:五木寛之 作曲:藤澤ノリマサ
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2月8日のレジェンドオブクラシックス公演は、終了後に撮るのを忘れ、
SNSで探し(有り難い)Revueが遅くなりました。
今回は忘れずにカシャーン

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純白の富士山がくっきり遠くに見える最高のロケーション。柔らかな青い色の空は暖かな春を予感。
柔らかに幕が上がりました。
夜と時の向こう
塩入さんのオリジナル作品。アルバム『月華』でもオープニング曲です。
このシチュエーションでは、夜も深い闇ではなく初春(冬)の温む微風がそよぐ月夜に、懐かしい思い出の断片が触れていく流れ。センチティヴな調べと優しいタッチがこの景色に淡彩とロマンティックな陰影を描きました。
しとやかな余韻(これ大事)にぼぉ〜〜っと浸っていましたら、早速松原健之氏、ご登場〜〜
わぁおお着物をお召しになられて。凛々しい〜〜。
はい、先ほどの感傷は飛んでいました(切り替えが早すぎます?
松原さんは、登場なされると演歌!っという世界へ即座に連れて行ってくださる。
演歌というジャンルは佇まいまでも養うのかしらん。
松原さんからの曲説、秋田の紙風船上げ祭り。願い事を書いた風船を上げる小正月行事をモチーフにした2月の曲。
みちのくふゆほたる
この行事は”台湾でも””とのお話に、私実は、昨年7月に台湾旅行での天燈上げを経験済み。願いを書いた大きな紙風船を上げました。
しかーし灼熱の真夏&電車も通る線路内で上げるというスリル満点のおまけ付き行事は、幻想なぞ微塵もなかったのでした。180度世界が違う。
松原さんの歌には、切なる願い一筋。紙風船がほたるなのかしらね、ピアノの穏やかな調べに、声も語り歌な感じの流れは、力を込めるのではないゆえに、会いたいと願いというフレーズを切々と伝えていて、幻想的な情景と感傷が結びついた日本の伝統行事を大切にしている感動と、コンサートツアーで聴いたホールとは違ったニュアンス、語り声の描き分けを感じました。
北の物語り
この曲の時、ステージ向こうに見える白樺の樹の枝が揺れはじめ、風が冷たくなったのかしらと。
木枯らしの音をMixしながら、曲も初冬へ戻りました。松原さんの厚みのある声が厳しさを増幅、時々ピアノは雪煙をおこし煽る。歌は季節の移ろいを私たちの心に熱く、でも静かに吹き抜けていきました。
ドラマティックなピアノのイントロに、松原さんの右横には富士山がくっきり。これぞ日本男児!(スミマセン)
歌声と和装が堂々として3者を惹き立てている。額縁に収めたい構図。
瞳の奥まで塩入さんアレンジなされた曲との記憶に、
ポップスに近い感じの曲は華やか、ぐっとスィーツ系な声にどきどき。熱情すぎる歌詞も、いきなりは火傷しますし、引いちゃいますので、淀みない美しい流れに青白い炎がじりじりと燃え盛っていくような、ちょっとクールな声に私は聞こえて、悔しいのでした(笑)
コンサートならではのお二人の掛け合い話も自然体なのが喜。手書きのスコアのお話(販売してほしい〜)
遠野ものがたり
雪!ピアノのアルペジオが美麗。滑らかさは格別。冷たい粉雪がさんさんと降りしきるイメージに
松原さんもステージの左右を静かに動き、ライトもマッチング。渋い表情に一番の終わり、”とおぉい〜〜”の中音ヴィブラートが、堂々と落ち着き払った懐の深い響きは絶品”ふわぁ〜〜っ”と抜けてゆく声に鳥肌立ちました。そこに歌の主人公が居ました。
受け継ぐピアノの間奏も声のボリュームをぐんぐん膨らませて、和服に色を付けていく多彩な音は、白銀の背景に映える。夢見心地になりつつもドラマたっぷりの名曲と思います。
松原さんは退出なされ、塩入さんオンステージ
オリジナル作品
小組曲1番
偉大な作曲家のコラージュ曲ような。ショパンさんがキュートなイントロを弾いて、ドビュッシー、ラヴェルさん達が”次は君弾いて…”などどフレンドリーに楽しんでいる小粋なティータイムのイメージ。”寒いこんな日は集まろーぜ!”(全くもってワタクシの妄想でございます・なんせ生ソロで聴いている喜びが先立ってしまいました。曲は繊細)っと。
塩入さんの曲説「冬に降る雪が桜の花びらが散っているように見える情景…」が今日のイメージ
桜の時に
私は冬の終わりを告げる春の雪(妄想は暴走する)。大きめの雪がラストステージを名残惜しそうにふわふわとゆっくり降っている。春の雪は地上に落ちる前に融けてしまうのもあり、途中で消えてしまうことも。儚さも聴きました。全曲がクラシックチックでしたので和&雅な領域とも感じる転換も素敵。
ピアノソロ、一部を締めくくる2曲は羽生選手の曲(そういえばお二人のMCでもフォーラムでのお話しをしてくださいました)
天と地のレクイエム
聴くたびに滑らかさに磨きがかかっているような。回転もさらに軽やかに音もたてずに滑っちゃうのではないかと思われるほどの流麗なピアノ。明暗の転調や変化を堅実に且つインパクトを残しながら縫い合わせていく調べはさすがというほかにないです。
Otonal 
いつこの曲を弾いてくださるのかと待っておりました、1stのラストを飾ります。
Revueはレジェクラにて書きました。遜色ない極上の演奏。鍛え上げられたテクニックの証がめっちゃ鮮やかな連打と見事な弾きっぷりに感動を超えて、驚愕のレベル。
ペダルが離れ、一瞬の静寂。”すごい…”のつぶやきが客席から聞こえました。

…気を鎮めて外をみれば日が2週間前より長くなっているね。

富士山も影を落としながら名残惜しそうに闇につつまれていきます。
2nd開演。
グノシエンヌ
昨年末メダリストオンアイス、宮原選手の演技で弾かれた楽曲です。サティの曲って惹かれます。荘厳なイメージながら型にはまっていなくて、でもそっと扱わないと壊れてしまいそうな繊細さが。なんてね。さらにこの時間軸にフィット。
塩入さん、フィギュアスケートの解説も加えてくださり、聴いていれば宮原選手の小柄な体がくるくる回る姿が見えてきます。綿密な音の連なりと共に弱音と強音の差もあり、演技と演奏が一糸乱れぬ一体世界。息を止めて聞き入りたいスピリチュアルな領域があって入り込めないほど。何回ものステージでの経験の深さを知り得る再演に、私的には白眉の演奏でした。
昨年稚内を訪れた時に作られたオリジナル作品
天北ものがたり
さらさらと流れゆく優しい曲であっても、展開に喜びをふと感じ取っても、きっと得も言われぬ喪失感が根底に流れている感情の多層体=ミルフィーユ曲。ラストは決別なのかしらん、鋭く鮮やかに空を切り弾き飛ぶ終結には度肝を抜かれました。ミルフィーユが崩れた?の、飛び降りちゃっ……?迷宮入り。
わぁおびっくりしたぁ。珍しいラストの余韻に翻弄されていれば、
ステージにスーツをお召になられた松原さん再登場。
笑顔にほっこり
冬をテーマにということでお互い”冬はお好きですか?”の会話は(結果は忘れました・笑)いつの間にかいびきの話へ〜からの。松原さんのクリスタルヴォイスだけじゃない下の声、低音の魅力へと移りました。”うんうん”と私は後ろからお客さまが頷かれているのが見えまして、さすがファンの皆さんは気づかれていたのだと感心。
前半でも書きましたが、ピアノ一本の演奏ですと、松原さんの中低声はふくよかだから豊かに変わっていくのがほんとにたっぷりと味わえるのです。
ペチカ
厳寒地では最高の暖炉。体の芯からあたたまるわぁ。心の中で一緒に歌える曲は、会場が仄かな明かりに集まりおしゃべり。お部屋が密やかに愉しい時間へ。
雪の降る町を
雪がもっくんもっくん(雪国住まいの方ならわかってもらえる表現・笑)と降っている、止まないのね。通り過ぎる思い出も様々。でも過去への眼差しが暖かくて、雪って降り続けば白く明るい情景になっていくよと明晰な声は教えてくれる。シンプルな伴奏で松原さんの声を解き放ち、間奏のソロではピアノが春、小鳥たちが囀りあう喜びのよう、春への憧憬を予想。それをラスト綺麗に弧を描く声の伸びやかさが繋ぎ、拍手が沸きました。

ピアノのイントロで周りがざわざわざわ。小さな笑い声も上がる(何故に??)
それは、韓流映画、冬ソナの主題歌でした。松原さんは出演者の方に似ていらしたのですね。
MCでは少しくらい余裕がある体形のほうが良いという(盛大な拍手)も。
最初から今まで
私、このドラマは全く観てはいないのです。さすがに曲は知っていますが、日本語ver.もあるのですね。
皆さんのお顔が笑顔いっぱいになった感じが伝わり、拍手が一段と大きく盛り上がったと感じました。このステージスペシャル、若返り曲なのでしょう。
私の好きな曲
北の冬薔薇
作詞者石原信一氏に興味あります。越冬つばめで知った作詞家。越冬〜には背景に幸福の王子のお話があるとどこかで読んだから。松原さんの曲もどのような物語が潜んでいるのでしょうか。
ギアをローに入れて、こちらもお腹にちからが入ってしまう(笑)演歌。聴いていれば、今広がっていく曲の世界にどっぷり浸かっていて。深い切込みとぐっとヴィブラートを揺らす技は凄みすらあって。松原さんはステージ左右動き、陽が落ちた薄闇にライトが当たるお顔の陰影にも女の情念が宿るコワさも見、心にずしりと存在を残していきました。
太目の声からすっとMCは明るい声に、ほっとしつつ、最後の曲と。
”え〜〜〜〜っ!”
初挑戦とご紹介された雪の華
二度目の”え〜〜〜っ!ほぉお〜〜”(嬉&驚)塩入さんの選曲。
ワタクシ曲は知っていましたがサビの部分しか知らず(汗)
キュートで煌びやかなイントロに別の新曲かしらんと聴いていたほど、メルヘンチック。改めて歌詞がはっきり聞き取れ伝わる幸せも。しか〜し”ゆきのはぁなぁを〜〜”で、松原さんの歌い口、ロマンティックな歌詞に透明な声の端端がぴょんぴょん飛び跳ねている可愛らしさ。なんか、かわゆい、でも素敵。照れくささをポケットに詰めたまま微笑んでいる姿を思いました。
椅子に座られて歌うスタイルも決まっていました。

待ちきれないとばかりな大きな拍手から
encore
この曲もずっと好きなんです(私、女性言葉を男性歌手が歌う曲、結構お気に入り・もちろん上手い方限定)。ピアノも色々な雪の情景を弾いてくださり、音色全部が雪に見え、私は心が躍ります。歌声の”ゆっきがふる〜〜”のリフレインの表情が変わっていく魅力的な歌い口。さらにスケールが広がっていく高揚感はDuoでも会場をいっぱいに充たしてくださる迫力がありました。
ホントにラストの曲、
わ〜〜〜っいっ!藤澤ノリマサさん(作曲)も歌ってくださった
雪明りの駅
ピアノ&歌声の遠近感がじわじわと寄せてきて、別れの深遠の渦は不意打ちの涙をいつのまにか私にもたらしていて、徐々に熱を帯びていくプロセスの自然な湧き上がりだからこそ、相手を思い遣る心からの素直な思いであることを証明していたと。松原さんのお姿に重なったのでした。
”心を込める”って度々書きますが、歌い手で表情は違っている、その微妙な違いを書き表せないもどかしさが今せつない。ほんっと染み入りました。
初冬のみぞれ交じりの雪、燦燦と降りしきる雪、雪の結晶がはらはらこぼれる雪、春のふわふわ、ぼたん雪…
様々な雪景色も、演奏と歌声が乗り人の体温で暖められた、冬のぬくもり。
名残惜しくて、ラストにピアノソロ…を聴きたかったと欲張ったワタクシでした。

このコンサートの頃(2.23.)は新型コロナウイルスの感染拡大による影響がこんなにも及ぶとはワタクシは想像できずにいました。
今、いろいろな方面が混乱していて気持ちも沈みがちです。こういう時、元気を出そうと張り切ってみても逆効果。なかなか難しい。
優しく円やかな声で語り歌ってくださった松原さんの歌声を想った。中低音のぬくもりの声を。
そこには、心まるごと感情を受け止め寄り添っている塩入さんのピアノこそがありました。

ありがとうございました。
takako.3.3.